こんにちは。実はこの度イギリスの永住権を取得したので、この機会に転職をしました。
永住権取得の経緯については
こちらの記事で詳しく書きました。
今まではIT企業で働いていて、今回もまたIT企業での就職となりましたが、永住権取得に伴い就労ビザが必要なくなったので、より幅広い選択肢で就職活動ができました。
今の会社は新卒で入社し、紹介での就職だったのであまりスタンダードなイギリスの就職活動をしませんでした。
今回はIT業界のスタンダードな面接や試験を沢山受けたので、そのことについて書きたいと思います。
既にイギリスにいる人にも、これからイギリスでの就職を目指す人のにも役に立つ記事にしたいと思うので、どうぞ最後までよろしくおねがいします。
私の就職活動概要
今回永住権を取得して結果が出たのが2022年2月の初めで、そこから応募を初めて、オファーをもらったのが3月の31日でした。
なので私の就職活動はだいたい二ヶ月弱でした。落ちたところも沢山あるので、もし就活を初めてすぐに決まるような場合なら短ければ1週間とかで決まることもあると思います。
選定の過程などは後ほど詳しく書きたいと思います。
応募したのはだいたい30社ほどで、20社ほどから返事があって、10社ほどが面接がある程度進み、2社から内定を得ました。5社くらいはお断りされて、残りは内定が出た時点で応募を取り消しました。
最初の数社は面接もあまり慣れていなかったりして、結構断られましたが、回数を重ねていくと質問もある程度予測できたり、コーディングテストも似たようなものがよく出たのでだんだん進むところが増えてきました。
同じく就職活動をしている周りの人もだいたい数十社は応募しているので、あまり絞らずにどんどん応募していくほうがいいと思います。
イギリスの現在のIT業界について
まず、イギリスのIT業界の現状についてですが、これはどの国でもある程度同じかもしれませんが、イギリスのIT業界のエンジニア需要は非常に高いです。
どこも人手不足で、エンジニアであればフロント、エンド、フルスタックなどポジションを問わずチャンスは高いと思います。
特にBrexit以降はEUの人もビザが必要になったため、イギリスではビザスポンサーシップを持つ会社がすごく増えて、今は日本人もビザが取りやすくなってきました。
さらにIT業界であればビザの要件が緩和されているので、必要な給与額がそこまで高くなく、もちろんお給料は高いにこしたことはありませんが、ビザという面ではエントリーポジションでもチャンスがあるという意味では有利な時期であると思います。
英語ができることは最低条件ですが、周りの人ではイギリスの学位がなくても、現在イギリス国内にいなくても就職して、就労ビザを取得している人が沢山います。
数年前に比べたら確実に今はイギリスのIT業界は移民に取って就職しやすい状況なので、考えている人はぜひ挑戦してみるべきだと思います!
求人情報を探す
まずは求人情報を探して応募をすることですが、私がチェックしていた求人サイトは主に以下です
Indeed
他にも求人サイトは沢山ありますが特にIndeedは色んな求人サイトのまとめサイトみたいな感じなので、ここをメインにして他にも補足的に確認という感じで探しました。
Googleサーチ
ここはちょっと表示がうまくいかないところもあって探しづらかったんですが、Indeedで出てこない求人もあったり、たぶんGoogleの検索履歴などを元にマッチもしてくれる?のかいいなと思う求人が多く出ているような気がしました。リモートの仕事も探しやすかったです。
Glassdoor
グラスドアは日本で言う転職会議のような会社の評価サイトですが、求人情報も見れます。ここなら出てきた会社の評判もすぐに調べられるので、変な会社に応募してしまうということも少なくて安心です。
LinkedInは基本的にはリクルーターとのコミュニケーションのサイトですが、ここに求人も載せている会社があります。結構LinkedInのプロフィールでワンクリックで応募できるところもあったので、そこも便利です。
企業の求人ページ
求人サイト以外にも、大企業など直接企業のウェブサイトへ行ってチェックもしました。これだと自分が思いつくような会社になるため幅は狭くなりますが、でも求人ページには載ってない求人がある場合もあったり、企業がさらに詳しくその仕事や会社について載せていたり、動画など詳しく知れたりもするのでこれも良かったです。応募もすぐできて便利でした。
Cord
これはスタートアップ系の企業の求人が載っているサイトです。一応招待制ということになっていますが、現時点では自己推薦も可能なようです。承認されないと応募はできないのですが、企業の偉い人と直接やりとりができて、結構向こうからの招待もあります。
4dayweek
これは週4日勤務のIT企業の求人が集まったサイトです。求人数は少ないですが、ここで応募して面接できた会社もありました。最近イギリスでは週4日勤務が議論されていて今後広まる可能性があるので、こういうサイトを見てみるのもいいかもしれません。
他にも時々色んなサイトを見ましたが基本的には上記のウェブサイトを中心に毎日求人情報をチェックしました。
私は今回はリモートの仕事がしたかったので、だいたいそれをフィルターにかけました。英語ではリモートはRemoteとか、Work from homeとか言います。
今はだいたいどの求人サイトもリモートの仕事だけを表示したりできるようになっていますし、ビザも出してもらえるかフィルターできる場合が多いです。
給料について
イギリスの求人サイトは日本の求人サイトに比べると結構自由な形式で書かれている場合が多いです。
給料がはっきり書いてある求人は業界にもよるかもしれませんが私が見た中では半分くらいです。基本的には自信のあるところは書くのではないでしょうか。
しかし正直どの企業も企業側がどれくらい払えるかということより先に、まず自分がどれくらい欲しいのかを聞いてきます。
これが結構難しいところですが、だいたい業界全体のスタンダードな給料というのは存在しますが、企業ごとにもちろん幅があります。
しかし自分の希望の給料を答えないといけないので、多くの人は現在の給料に少し上乗せした額とかを言うのではないでしょうか。私は今の給料の25%アップを最低にして、出せそうな企業にはさらに上を伝えました。
求人サイトに幅が書いてある場合はだいたいその幅に合う感じで、書いてなければGlassdoorなどに給料予測が載っているのでその金額から私の希望と向こうの希望がマッチするような感じで伝えました。
私が希望した給料を伝えてそれは高すぎるとか言ってきた企業は一つもありませんでした。むしろその給料に見合うだけの能力を持っているのかを見られるという感じです。
なので強気な給料を伝えることは大切ですが、高望みしすぎると内定が出ないということもありえます。そこも駆け引きというか、実際自分が希望した金額で給料が決まる場合が多いので、その交渉は重要です。
どちらにしろ業界のスタンダードな給料を知らないと難しいと思うので、あくまでスコットランド在住の私の感覚ではありますが、
- グラジュエート・エントリーレベル:£20,000-40,000
- ジュニアレベル:£30,000-50,000
- ミッドレベル:£40,000-60,000
- シニアレベル:£50,000-80,000
- リード・プリンシパルレベル:£50,000-100,000
- マネージャーレベル:£50,000-£120,000
地域や企業にもよりますがこれくらいが妥当なんじゃないかなと思っています。もちろん上はキリがないのでもっと出すところも沢山あります。ロンドンだとこの幅の上の方よりになるんじゃないでしょうか。
レベルの考え方
このレベルというのは西洋圏で一般的な職種の熟練度を表す呼び方です。Seniorityとも呼びます。これは勤続年数で自動的に上がるものではなくて、その人の経験や能力で決まります。
なので一生ジュニアレベルの人もいれば、すぐにシニアやリードになる人もいます。でもイメージとしては
エントリー(1年目)→ジュニア(1-3年目)→ミッド(3-5年目)→シニア(5-10年目)→リード(10-15年)→マネージャー(15-20年)とか例えばこんな感じがイギリスでのIT業界で働く順調なステップだと思います。
もちろんスタートアップなど人数の少ない会社であればこんなに細かい区別はなくていきなり三年目でマネージャーに任命される人がいたり、そういうこともあります。
でもIT業界はスキル重視なので相当大学での何か功績があるとか、特別な才能がある人以外は、順番に進んでいくと思います。
このレベルはジョブタイトル(契約上のポジション名)につく場合もあります。例えば求人情報にはSenior Java Software Developerとか書かれるわけです。
レベルごとに給料も上がるし、責任も重くなるし、求められる能力も高くなります。
イギリスには年功序列という考え方はあまりないので、社内で審査を受けてレベルを上げたり、転職する時に変えていったりします。
レベルというのは必ずしも契約書に書かれたり、客観的に誰かに評価されて明示されるとは限らず、主観的に自分で今はこれくらいのレベルかなと判断するだけの場合もあります。
私も今の会社では特にタイトルにレベルはついていなくて、だいたいジュニアからミッドレベルだなと自分で判断してそれくらいの求人に応募しました。
今回少しIT業界の中でも分野が変わって職種も少し変わることになったので、実は次の契約はジュニアになりました。
このように場合によってはシニアだったのがミッドに変わったりということもあると思います。
逆に不用意にシニアレベルであると履歴書に書いたりすると、シニアレベルのスキルを期待されるので、レベルが高ければ自分にとって有利とは限りません。
企業によって給料も違うので、ある企業のジュニアの給料が別の企業のシニアの給料より高いということもありえます。
あくまでSeniorityというのはその人の経験や能力を大まかに表す分類でしかありません。
大企業か中小企業か
イギリスで面白いのが、大企業ほど給料が高いというわけではないところです。すごく有名な大企業より数十人しかいないようなスタートアップ企業の方が給料がいいことも多いです。
日本だと大企業ほど給料がいいというイメージが強いですが、イギリスでは業界やSeniorityが強く影響し、またスタートアップはSeniorityの高い人を集めて給料は高くても少数精鋭で企業を大きくしていくというのがよくあります。Seniorityが高いほど責任も大きくなるので、場合によっては残業があるところもあります。
あとはイギリスだと金融は給料が他より良いところが多いです。金融系スタートアップは£100,000超えなど高い給料で能力の高い人を集めているところが多いです。そこがイギリスの金融が強い理由の一つなのかもしれません。フィンテックなど£100,000超えの求人が結構出ています。その代わりもちろん逸材を求めているし、仕事も結構きつい場合が多いみたいです。
これもあくまで私のIT業界での印象ですが、企業規模の特徴としては
大企業(数千人以上)
- 給料が高いとは限らないが安定している。
- 労働環境がいい。
- 基本的には高い能力を求められる。
- エントリーレベルの募集もある程度ある。
- 給料の伸び幅が大きい。
- 沢山のベネフィット(福利厚生)がある。
- 有名企業だと履歴書映えして転職がしやすい。
- クビが多いかどうかは企業による。
- タスクが分業化されているので学べることが多いかどうかは企業による。
- 業界のスタンダードは学びやすい。
- たいていビザをスポンサーしてもらえる。
中小企業(数百から数千人)
- 給料が高いとは限らないがある程度安定している。
- 労働環境がいい。
- 即戦力でなくてもポテンシャル採用がありえる。
- エントリーレベルの募集は限定的。
- 給料の伸び幅があまりないことがある。
- ベネフィットが大企業より少ない。
- 履歴書映えしないのでアクティブに転職活動が必要。
- 成長企業であればクビは少ない。
- スキル的に業界のスタンダードを守っているかどうか注意。
- ビザは企業次第。
スタートアップ(数人〜数百人)
- 即戦力になる非常に高い能力が求められる代わりに破格の給料が多い。
- 労働環境は悪い場合が多い。(週50時間など一般的)
- ビザを出してくれる会社も中にはあるが少ない。
- ベネフィットは弱い。
- 企業によってはスタートアップでの就労経験を重視するので履歴書映えは場合による。
- 企業が潰れたりする場合もあるので安定性はまぁまぁ。
- 幅広く業務に携わって勉強できる可能性が高い。
- 株がもらえて将来稼げる可能性がある。
スタートアップについて
もちろん傾向でしかないので、当てはまらないところも沢山あります。例えば私が次に働く企業はスタートアップですが結構ポテンシャル採用的な部分が多かったです。
スタートアップというのは企業の成長度によってA-Cに分類されていて、それによって出資などが変わるようです。詳しくはこちらのページをどうぞ。
私は各分類の詳しい条件などは知らないのですが、結構求人情報にSeries Aとか今その企業がどの段階かというのがよく書いてあって、Aが超初期、Bが成長段階、Cが安定化段階みたいな感じのようです。
Bの企業とかだと毎年社員数を倍にしていくみたいな状態のところもあって、その場合結構ポテンシャル採用とかもあるようです。私の場合がこれです。
ただポテンシャル採用だと当然給料はまぁまぁみたいな感じになります。
といってもイギリスのスタートアップは資金が潤沢な場合が多いので、それでも私はそれなりに満足な契約が結べました。
Cくらいになってくるとスタートアップと呼ばれていても社員数も十分になって仕事もきちんと組織化されてきて、労働環境もよくなってきます。
しかしAの段階だと本当に社員数が10人以下とかの状態で、各従業員の責任が重く、その分とにかく少数精鋭で超大企業の経験豊富なシニアレベル以上のエンジニアを破格の給料で引き抜くみたいな感じがよくあるみたいです。
Cまでいって中小企業とか大企業へ成長していく会社は多くないので、Series AとかSeries Bの求人の方が多くなります。よって私が上に書いた条件はCとかならまた変わってくるかもしれません。
とにかくSeries Aの企業とかだと労働環境は結構厳しいのを覚悟したほうが良いかもしれません。
そういう企業で働きたい人はよほどITへの情熱があって、将来的に自分も起業したいとか、そういう人の方が多いんじゃないでしょうか。
履歴書について
ちまたではよくスタンドアウトする履歴書の書き方!みたいな話がよくあって、おしゃれなデザインにするとか、ちょっとおもしろいことを書くとか、これは書けこれは書くなとか色々言われますが、
IT業界においては正直大切なのはスキルで、スキルはコーディングテストやテクニカルテイストで見られるので、履歴書のフォーマットとかデザインとかはそこまで重要ではないと思います。
確かに書き方のコツはあると思います。スキルを分かりやすく書く、実績を強調するとか。でもやはりITの履歴書はスキルそのものがないと通らないので、大切なのは求められるスキルを持っていること、それを履歴書に明記することだと思います。
フォーマットはおしゃれである必要はなく、箇条書きでもなんでもいいです。私はごくシンプルな2ページの履歴書を用意して各企業に送りましたが、企業からは沢山の返事がありました。
全くおしゃれでも面白いこととか気の利いたことを書いたわけでもありませんし、ネットで最初に出てきたテンプレートに当てはめて書いただけです。
なので履歴書の書き方に悩むより、適当に書いて、その時間で勉強した方がいいというのが私の考えです。
選考パターン
IT企業の選考はある程度パターンがありました。私が応募したのは主にバックエンドのポジションなので分野によってはこれに当てはまらないかもしれません。
順番は色々ですが私が受けた面接はだいたいこういうのが多かったです。
- リクルーター面接: 会社や仕事の紹介、希望給料や勤務開始可能日の確認、選考ステップの確認など。
- コーディングテスト: プログラミングスキルのテスト。パターンがいくつかある。言語はだいたい3-5個の選択肢の中から選べる。
- ビヘイビアルインタビュー: コミュニケーション能力とか、働き方とか、マネージメント能力とかを見られる普通の面接。
- ホワイトボード面接: システムデザイン能力のテスト。データベースとか、スケーリングとか、APIとか。フロントエンドだとまた違う内容かも。
- パネルインタビュー: 中小やスタートアップに多い。最終面接やそれに近い面接で、CEO・CTO・チームマネージャーなど偉い人を含めて複数人相手に面接する。
この辺は結構スタンダードな面接の種類です。小さい会社だといくつかの面接が一つにまとまっていて一気にやったり大企業だと逆に各ステップが数回合って計5-10回みたいなところもあります。
コーディングテスト
コーディングテストはだいたい以下のようなパターンに分かれていたと思います。これらが複数ある場合もあります。
- 口頭面接: ○○と○○の違いを説明してとか、○○を使ったプロジェクトをやったことがあるかとか、○○についてどう思うかとか。
- 小テスト方式: HackerRankなど30分〜1時間程度の短時間でのコーディング問題。採点もおそらく自動で、書いたコードがテストケースをいくつカバーしているか、実行速度はとかが見られる。
- 課題方式: 制限時間はないが2-3時間程度でできる内容のアサインメント・ミニプロジェクト方式。Unit testなどもつけるようにたいてい言われる。READMEを書く能力も見られる。内容はおそらく手動で評価される。提出はGitHubなど色々。
- ライブコーディング方式: 面接官と1:1や1:2で画面共有をしながらコーディングする。解く過程や改善方法を相談しながらプログラミングする。
- クイズ形式: 四択問題などのプログラミング基礎知識を問うテスト。これだけということはなくて、だいたい他のテストと組み合わされる。
- 記述式テスト: ○○を使う利点は何かなど技術質問を文章で回答するテスト。
その他私が受けた企業の面接で珍しかったのがこちらです。
- マネージャー面接・チーム面接: 一緒に働くことになる人たちとの面接。大企業だと各面接はチームの人とは限らないので、それとは別にチームメンバーとの相性を見るための面接がある場合もある。
- IQテスト: 空間把握能力、言語能力、瞬発力、正確さとか色々テストされる。
- 記述式面接: 記述式のエッセイ・アンケートのような感じで答える。
- カルチャーインタビュー: これは選考には関係ないが、従業員の1人と会社の文化について話すことができるオプショナル面接。
エンジニアの面接ではやはり比重が一番大きいのはスキルテストの部分だと思います。人物なども見られているとは思いますが、スキルが高ければある程度目を瞑る部分もあるのではないでしょうか?
面接回数や日数について
イギリスでの面接期間は企業によりますが、早いところでは1週間以内、長いところでは2-3ヶ月かかります。回数は私が受けた中では2回が最短、多いところは6回でした。1回で決めるという求人も見ましたし、10回くらいに分けてやるところも多いみたいです。
一回の面接は最初の数回は30分-1時間が多くて、あとはオンサイト面接と言って、本来ならオフィスへ1日滞在して複数回面接をしたりするのですが、今はコロナ禍でそれもバーチャルオンサイトになっているところが多いです。
オンサイト面接の場合は45分の面接を4個とか、だいたい半日以上かかるので、その場合は有休をとって面接を受ける感じになります。オンサイト面接は最終面接で行われることが大半です。
短い面接であれば朝や夕方などにやってもらって、仕事を調整せずに受けることも可能だとは思いますが、基本的には面接官も就業時間があるので、どうしても有休を取ったりしないといけない日は出てきます。
ただ私は今は在宅勤務だったので、30分程度の面接であればランチタイムに受けられましたし、有休を取ったのは結局2-3日でした。
私が最終面接まで受けた企業の選考ステップを書きます。
企業1
- コーディングテスト(HackerRankで45分のプログラミング)
- テクニカルインタビュー(口頭でのプロジェクトの説明など)
- カルチャーインタビュー
- オンサイト準備面接
- オンサイト面接(ビヘイビアルインタビュー×1、システムデザインインタビュー×1、ライブコーディング×2)
企業2
- リクルーター面接
- オンラインテクニカルテスト(ミニコーディング×2、選択式クイズ、記述テスト)
- マネージャー面接(ビヘイビアル・テクニカル含む)
- パネルインタビュー(CEO、マネージャー、もう1人と3:1の面接)
- (免除)チーム面接(この面接はスキップで内定をもらった)
企業3
- リクルーター面接
- オンサイト面接(ビヘイビアルインタビュー、テクニカルインタビュー+ライブコーディング)
これらの面接のステップは求人情報に書いている場合もあれば、リクルーター面接など最初の面接で説明される場合もあります。
でもある程度どの企業も共通しているし同じようなシステムなどを利用しているので、数をこなしていけばそんなに気負いせず受けられるようになると思います。
面接対策
スタートアップでない企業であればたいていGlassdoorには面接対策についても書いてあります。
面接を受けた人が選考過程や、面接で聞かれた質問を書いているのでそれを沢山読んで対策をします。
あとは私はYoutubeで面接の勉強をしました。情報工学基礎知識とか、面接のコツとか、そういう動画が沢山上がっているし、英語での用語を勉強し直すのにもいいです。
例えばソートの質問はよく出るのでこういう動画を見て復讐したり、
このチャンネルは結構面接でよく聞かれるところをカバーしてくれるので役に立ちます。
あとどの企業でもよく聞かれたのがBig O(タイムコンプレキシティ・スペースコンプレキシティ)です。大企業ほどただコードが書けるだけではだめで、効率の良い優れたコードを書くことを重視します。大企業ではこれを聞かれなかったところはなかったです。答えられないと面接を突破できないのでBig Oについてはきちんと学んでおいた方がいいです。
このCS Dojoチャンネルは日本人の方ですが、英語で分かりやすくコンピュータ・サイエンスの基礎を解説したり、面接について教えてくれるので、いい動画が沢山あります。
Youtubeで勉強するいいところは、話題ごとに動画があって、同じ話題でも違う人が違う方法で説明しているので、一つのトピックについて深く理解することができるところです。
中にはある分野についてとても専門的に何時間もかけて教えてくれる動画があったり、逆に要点を5分くらいで説明してくれる動画があったりして、自分のレベルや都合に合せて学べます。
それからLeetcodeも勉強するのにおすすめです。IT企業の面接でよく聞かれるようなプログラミングの問題が沢山載っているサイトです。レベルごとに数千の問題があって、他の人の回答例や議論も見ることができるので勉強になります。
プラットフォームも実際の選考で使われるようなオンラインのIDEなのでそういうのに慣れる点でも良いでしょう。HackerRankも同じような練習問題があります。Hacker Rankは実際の選考でもよく使われるのでこちらで練習するのもいいでしょう。
内定後の過程
私が内定を受けた企業は、実は最終面接は飛ばしてセミファイナル面接後すぐに内定をくれました。
その面接の日は私は有休を取って三社の面接を一気にうけていて、内定が出た企業が朝イチでうまくいったのですが、その後2社がズタボロで、正直ものすごく落ちんでいました。
うまくいった一社目のあと、二社目は第一面接だったので気楽な気持ちで受けたら予期せずテクニカルな面接になり、あまりうまく答えられず、向こうも「うーんうちにはあまり合わないかもね…」と遠回しにお断りを示唆してきました。そうですよね…と私が引き下がろうとしたところ、何故か二人目の面接官が「いやでも彼女にチャンスをあげようよ」と言い出して、本来なかったコーディングの課題を受けて実力を見るということになりました。私もそれに飛びつきぜひお願いします!といいました。このように一見だめでも押せばチャンスをくれる場合はあると思います。
そんな緊張の面接の後、続いて三社目が実はここは結構自信があったのですが、出されたコーディング課題が本当に分からなくて、焦ってますます泥沼にハマってしまい、面接官も無言に…最後はほとんど答えを教えてくれるような形となり、「うん、でも最後まで頑張ったね」などと慰められて終わり、その後正直ちょっとこっそり悔し泣きしました…。自信があったのにどうして…。ライブコーディングではかなりプレッシャーがかかるので焦らず解く精神力も必要です。
もうそんな感じでめちゃめちゃくらーーーい気持ちでいたら、そうしたら夕方朝受けた会社から最終面接はパスして内定出しますとオファーの電話があり、正直まだ最終面接があると思っていて心の準備ができていなかったし、残りの2社のことで落ち込んでいたのですごく動揺してしまいました!
電話口の方が察してくれて、その日は木曜日だったので、じゃあ週末に考えて月曜日に返事を下さいということになりました。
オファーも十分良かったのでそこに決めました。イギリスでは内定が出たら基本的には数日以内に返事をします。なので私も数日で決めてサインをしました。なので最終面接の時点ではもう心の準備をしておいた方が良いと思います。
どうしても他の企業の結果を待ちたい場合などは一週間待って下さいと伝えるとか交渉が必要だと思います。
実は私はそのうまくいかなかった残りの2社のうち後の方、私があまりにもできなくて落ち込んだ会社からもなぜか内定出しますと電話が来ました……!これは本当になぜ内定が出たのか分からず、誰か他の人と間違えてない?といいたくなりました…。でももうその時点で最初に内定をくれた方に返事をしていたのでお断りしました。給料も同じくらいだったし、最終面接を飛ばしてまで内定を出してくれた企業の方が、落ちるに決まっていると思っていたのになぜか内定をくれた企業より自信を持って働けると思いましたし、仕事内容も面白そうだったので。
そんな感じでまずは電話で口頭の内定が出て、次に紙で内定通知が来ます。ここに詳しい契約条件などが書かれていて、それにサインをしたらとりあえずその時点で仮契約。その後本契約書が届き、細かい規定などが書かれているのでそれにサインをすれば晴れてそのポジションは確保です。
本契約書にサインをしたら今の会社に退職することを伝えます。イギリスでは転職はおめでたいことという認識なので、上司からも寂しくなるけどおめでとうと言ってもらえました。実はそこで給料上げるしリモートがいいならリモートでもいいから残らない?とは交渉されましたが、正直転職活動ですごく勉強もして努力してやっと勝ち取った内定だったし、もう五年働いていてそろそろ新しいことにチャレンジしたいなとも思っていので断りました。こういう転職しようとする人を引き止めるオファーをカウンターオファーといいます。
でもカウンターオファー出すなら最初からもっといい待遇にすればいいのにと思いますが…辞める人って前兆があると思うんですよね。私も給料が低いことやリモートが出社に切り替わり始めたことの不満は伝えていましたし…。
ともかく転職を決めたので、次の日には上司がチームメイトに伝えて皆からもおめでとうの言葉をもらいました。
イギリスでは退職までは一ヶ月が基本ですが、私の契約は二ヶ月でした。なので今はその二ヶ月を引き継ぎなどしながら消化しているところです。
その期間に残っているホリデーも取りたいといったところ取らせてもらえることになりました。仕事内容や企業によっては退職前の期間にホリデーは取れないがその分をお金で払うというところもあります。
退職までの期間は契約上はある程度決まっていますが、そこも交渉次第です。特に重要なプロジェクトなどなければすぐに辞めて新しい仕事を始めるという人もいますし、逆に半年移行期間を設ける契約をしているような人も中にはいます。
日本の就活と違うと思ったところ
日本で本格的な就職活動はしたことがないので私が知ってる範囲での違いになりますが、これは私が今回の就活の中で感じた日本とイギリスの違いです。
①大学名より学位の種類が重視される
もちろん有名大学を出ていることはプラスになりますが、イギリスでは学位や出身学部が重視されます。例えば私はMSc(マスターオブサイエンス)を持っていますが、これがマスターオブなんなのかというところは何度か面接で話題になりました。
②求人情報の要求スキルは盛られている
イギリスの求人情報では必須スキルが10個くらい書いてあって、さらに推奨スキルが10個くらい書いてあって…みたいなので普通です。でもこれはあくまで理想の候補者であって、これに全て当てはまらなくても躊躇する必要はありません。正直8割も当てはまっていれば十分、もっと少なくても応募して問題ありません。
またこの記事ではSeniorityについても説明しましたが、これももし自分のSeniorityでは届かないような求人情報でも、応募して、その時にもう少し下のレベルで受けたいと交渉したりすればOKです。
③企業ごとではなくポジションごとの募集である
日本だと従業員は企業に所属するという意識がありますが、イギリスではそのポジションに所属するという意識が強いです。そのため社内であっても別の部署にいくなら面接があったりしますし、就活においても、同じ企業でもポジションごとに違う求人情報が載っています。これは全く同じ仕事で違うSeniorityであっても別々で書いてあることがあります。日本だったら入社してから配属が決まる、みたいなこともありますがイギリスでは一般的には応募時点ではっきり配属が決まっていて、興味のある仕事が複数あるなら同じ企業であっても複数応募するということになります。
なので本当に働きたい企業だったら、5個でも10個でも応募していいです。そもそもポジションごとに選考するチームも違ったりするので、一つが駄目でも別のところならどんどん選考が進むということもありえます。
④新卒が一番不利で経験が豊富なほど有利になる
これがイギリスと日本の就活での最大の違いかも知れませんが、日本のように新卒一括採用という文化がないので、イギリスではとにかく経験重視です。新卒を採用して育てる会社もありますが、相当余裕のある会社だけです。よって経験のない新卒の就職はイギリス人でもあっても非常に過酷です。なので最初は悪い労働条件でも働いて、インターンシップとか有期雇用でも働いて、そのうち経験を積んで少しずつより良い労働条件に変わっていくというのが一般的です。
日本だと年齢が上がるほど転職が難しくなったりしますがイギリスでは逆です。そもそも年齢は選考中一切明かさないのであまり関係がありませんが、とにかく経験とスキルが重視されます。
⑤転職は後ろめたいことではなくおめでたいこと
日本でも最近は以前より転職しやすくなっているとは思うのですが、イギリスでは転職はどんどんしていくことで、大体の人がそれでスキルアップして、より良い給料や労働条件を獲得していくので、転職はおめでたいことです。
転職が激しい社会なので会社も転職でいちいち嫌な顔とかしません。そのためそもそも属人化しないようにしますし、だからこそ長期ホリデーなども取りやすい社会なのだと思います。
一年以内に辞める人も珍しくなく、毎年のように転職を繰り返す人もいますが、さすがに毎年はちょっと多いものの、でも転職回数が多いことはマイナスにはなりません。
むしろ転職をしてどんどんステップアップをしているなら有能な人だという証拠になります。
数カ月で会社を転々としている場合などはちょっと何か問題があるのかと疑われることもありますが…。
私は就労ビザのことがあったので5年間同じ会社で働いたのですが、そのことは就活中に結構「どうしてそんなに長くいたの?」と聞かれました。つまりイギリスでは5年間同じ企業に務めるのは長いということです。
特にキャリアの初めの方はどんどん転職する人が多いです。
それでマネージャーポジションなどいいポジションについて満足のいく給料などもらうようになったらそこからは10年くらいいるという人もいます。
でも日本のように20年とか30年も同じ企業にいる人というのはとてもめずらしいです。
⑥リファレンス制度がある
これは私も今やっている途中なのですが、イギリスの企業では転職する際にリファレンスというのが必要になります。これは推薦書のことで、今働いている企業の上司などに新しく働く企業に向けて推薦書を書いてもらいます。内定もリファレンスを前提に出します、という風になっているので、退職するからと言って上司に悪口を言ったりしてはいけません。
これは履歴書に書いてあるような企業で働いていたのは事実かどうかというような確認もあると思います。あとは上司と悪い関係を持つような人は雇いたくないということもあると思います。
イギリスはリファレンス文化の国で、大学に入る時も、家を借りる時にもリファレンスが必要です。
中にはリファレンスを一切求めない会社もありますが基本的には必要になります。なのでこれから初めてイギリスで働く人も日本の上司とはいい関係を保つようにした方が良いでしょう。
普通はリファレンスは内定をもらった時点で頼まれますが、時には最終面接の段階で求められることもあります。その場合は上司に転職活動をしていることを伝えることになってしまいますが、転職することは後ろめたいことではないのでちょっといいづらくはありますが、頼むしかありません。
リファレンスは1個が普通ですが、4個とか多く頼むところもあるようです。
以上、かなり長い記事になりましたが、イギリスでの転職活動の様子や、気づいたこと、アドバイスなどまとめてみました。
イギリスで就職を目指す皆さん、この記事が役に立つと嬉しいです!もし他にも詳しく書いて欲しいことなどあればコメントをいただければ次のテーマにします!
コメントを残す