イギリスのスタートアップIT企業で働き始めて約4ヶ月が過ぎました。

たぶん試用期間も無事過ぎて?(3ヶ月たって何も言われなかった)楽しく働いています。

前の会社も大きな会社ではなかったのですが、今よりは長年ビジネスをやってましたし、社員数も少し多くて、支社もいくつかあるような会社でした。

新しい会社は本当に数年前に立ち上げたばかりで、支社とかもないし、社員も今どんどん増やしている段階でまさにスタートアップという感じです。

ただ黎明期は過ぎたというか、スタートアップ中期みたいな感じではあると思います。なので会社の方向性や文化が出来始めているような段階です。

なのでそんなスタートアップ企業で働いて感じたことを少し書いてみたいと思います。

これは私が働いている企業の話であって、スタートアップ企業が皆こうなわけではありませんし、そもそもまだ私は2社しか働いたことがないので比較対象も少ないです。

でも時折これはスタートアップならではだな〜と感じる部分もあるのでその辺も触れていきたいなと思います。

 

規則などが少ない

これは最初にスタートアップっていいなと思ったところです。

人数が少ないからこそ、色んなルールを作って人をコントロールする必要がないというか、全体的にすごく緩いです。

就業時間も必要な会議さえ出ていればうるさく言われなくて、一応契約時間は決まっていますが、ちょっと遅れたりやることがないから早めに終わったりしても何も言われないし、うちは時間じゃなくて成果を見るからと会社からもよく言われます。

正直朝遅刻しすぎだろと思うくらい朝の会議にいつも来ない人とかもいるんですが、誰も怒ったりせず、大丈夫〜?もう始まってるよ〜みたいな感じでゆるいです。

金曜の夕方には週のまとめ会議みたいなのもあるんですが、たいてい早めに終わってじゃあ金曜日だしこれくらいにしよう皆週末楽しんでね〜って感じです。

会議もビール飲みながらゆるーく楽しくって感じです。

病欠についても前の会社では年に何日まで、休んだらフォームに病欠の理由を書いて提出とかありましたが、そういうのもないです。Slackで今日調子悪いんで休みますって感じです。

会社は信用を大事にしたいとよく言っていますが、人数が少ないからこそできるのかなと思います。

もちろん理想ではどの会社も皆が良識を持って行動してくれればいいけど、人数も増えてくればズル休みする人が増えたりとか、それでルールが厳しくなったり…というのもよくある話だと思います。

会社が大きくなってもこの信用の文化を続けていきたい、できるか不安だとマネージャーはよく言ってますが私もこの素敵な雰囲気が続くように節度を守って、信頼を壊さないように働きたいです。

 

仕事の仕方が確立していない

これはスタートアップの大変なところだなと感じた部分です。

まだ会社が始まって数年なので仕事のやり方も手探りで、プロジェクトの進め方とかもちょこちょこ変わったりします。

製品自体もまだまだ開発段階で、メンテナンス段階とかにはないので、ジュニアの私でも設計に対する意見などをガンガン求められます。

ルーチン的な仕事もまだほとんどないので仕事のやり方に正解はなく、ドキュメントも少ないです。

なのでスタートアップではどんどんアイディアを出してそれを実現できるような人材が求められると思います。

会社ではジュニアを採ったこともほとんどないらしくて、私はある意味そろそろ人材育成的なこともやろうみたいな感じで雇われました。

なので教え方も慣れてないと言うか、この分野に全然詳しくない私にそれやらせる!?みたいなこともよくあります。

前の会社では新人が入ってきたらこういう風にトレーニングするというトレーニングの方法も決まってたり、ちゃんとトレーニングする人材がいたりしましたが今の会社はとにかく全てが手探りです。

 

会社が成長する楽しみを味わえる

これはたまたま景気のいい会社に入れればですが…まぁ普通はスタートアップでどんどん人を入れている段階なら事業が延びていてうまくいっているという感じだと思います。

スタートアップでは普通投資家がついているのである程度の期間は安定して経営ができると思いますが、

どちらにしろ会社の経営がうまくいっていて、どんどん新しい仕事が入ってきたり、製品が売れて事業が広がったりする段階では会社の雰囲気も当然よくなります。

うちの会社も景気がいいようなので、毎週のまとめ会議で今週はこんないいことがあった、こんな可能性が広がったと明るいニュースが多いです。

前の会社はもう業界でもかなり長い企業だったので、競合とのクライアントの取り合いだったりでいつもいいニュースばかりではありませんでした。

もちろん経営者は従業員にいいニュースを届けようとすると思いますが、うまくいっているスタートアップではその成長過程を一緒に楽しめる点が良いと思います。

 

アットホームな雰囲気

これは最初の項目でも少し触れた部分かもしれませんが、人数が少ないので従業員同士の距離が近いです。

社員全員を把握できる程度の人数なので皆仲良くなれます。

そういう馴れ合いが好きかどうかは人によるかもしれませんが、私は本当に家族のような雰囲気が心地よいです。

前の会社では支社とかもあったので知っている人は自分のチームと一緒に仕事をしたことがある人たちくらいで、顔は見たことがあっても話したことがない人なんかは沢山いました。

入れ替わりも激しかったので一度も話すことなく辞めていく人も多かったです。今の会社はたぶん一通り一言くらいは話したことがあります。

 

フィードバックを聞いてもらえる

これも人数が少ない会社だからこそだと思いますが、前の会社に比べてフィードバックがよく聞いてもらえます。

これはうちの会社が特にフィードバックを大事にしているということでもあると思いますが、アンケートを定期的に実施し、マネージャーがなんとなく読んで終わりではなく、

チーム皆で点数の高かった項目や低かった項目を話し合って改善する方法を考えたりします。そしてマネージャーなどが具体的などんなアクションを起こすのかを決めています。

話し合いをする時に最後に具体的なアクションを決める、というのがうちの会社のいいところだなと思います。

例えば会議が長いという意見が多かったらすぐにじゃあこの日は会議が続くから日にちを分けようとか、半分の時間でやってみようとかすぐに行動があります。

フィードバックを聞いてもらえるという実感があるからこそ、大切にされてるなと思ったり、自分の存在に意味があると感じられたりします。そんなところがいいなと思いました。

そういう会社の雰囲気もあってか離職率はかなり低そうです。4ヶ月働いてまだ辞めた人は1人もいません。前の会社では毎月のように誰かが辞めて誰かが加わってという感じでしたが…。

 

多様性に欠ける

ここは新しい会社で少し気になっているところで、スタートアップであることは関係ないかもしれませんが、あるのかもしれません。

正直言って社員の殆どがイギリス人、外国人がいても白人です。入社した段階では95%くらいは白人でした。

最初はえっ?と思いましたが、それが私が雇われた一つの理由でもあるのかなーと思いました。

アジア人は私1人、有色人種もほんの数人しかいなかったので、会社も多様性を意識し始めたのかなと。

やっぱり会社を興す段階ではまずは事業を軌道に乗せることを考えるので会社の多様性とか意識しないと思います。

意識しなければ白人の興した会社はやはり白人が集まってしまうということなのではないでしょうか。

なのでイギリスのスタートアップであればイギリス人ばかりで多様性がなく、日本人は少し居心地が悪いという可能性もあると思います。

逆にそういう環境に身を起きたいという場合には日本人1人というのがプラスにもなるかもしれませんが。

私は別にどっちでも良いのですが、やっぱりアジア人同士だと盛り上がる話題もあったりとか、仲良くなりやすかったり、

前の会社でも仲良くしていたアジア人の同僚もいたので、少し寂しいなと思うことはあります。

イギリス人同士のジョークとかについていけなかったりする時もありますし……。

でもここのところ急に有色人種の入社が増えたので会社も多様性を意識して採用してるのでは?と思います。

たぶん入社してから今は95%白人だったのが90%くらいにはなったと思います。

 

育休を取りづらい

これは私個人の事情であり、しかも私自身の気持ちの問題でしかないのですが…。

前回の記事で書いたとおり私は今妊娠しています。それが発覚したのが入社一週間後くらいで、まさに最悪のタイミングだったのですが、それを先日会社に伝えました。

人数の少ない会社なので私が育休を取ることは当然会社にとって大きなインパクトだと思います。

しかし元々すごく雰囲気の良い会社だったので、きっとそう言ってくれるだろうとは思っていましたが、報告した時も皆とても温かい言葉をかけてくれました。

入社直後に妊娠という気まずい状況なのに、素晴らしいニュースだと言ってくれました。

私が入社直後なのにすみませんと言ったらそんなこと思わなくていいよ、一緒に働けて嬉しいし、全力でサポートするからね、あなたは自分が取りたいだけ育休と取るって決めて後はいつになるか報告してくれればそれでいいからと言ってくれました。

これ以上ない対応だと思うのですが、やっぱり本音ではなんてこったと思われているかなとか、少ない社員が1人減って申し訳ないなと思ってしまいます。

私は気まずいし、仕事に大きなギャップは作りたくないのであんまり長く育休はとれないなと感じています。

大きい会社でも同じかもしれませんが、でも一人あたりのインパクトは少ないのでスタートアップよりは気まずくないのかなって想像します。

人生いつ何があるか分からないし、妊娠に限らず社員が休むことになることはあるでしょうが、こういう事情はスタートアップならではなのかなと思いました。

 

 

以上スタートアップ企業で働き始めた感想でした。これから分かってくることも沢山あると思うのでまたしばらくしたら新しい会社でのことを書きたいです。

とりあえず新しい会社が雰囲気もよく働きやすいので私は転職して良かったなと思います。

妊娠のことはちょっとタイミングが違えばなと思いますがそれでもこれだけ良い対応をしてもらえたことがありがたいです。

またいつかは転職をすると思いますが、その時はまた違うタイプの会社でも働いてみたいです。