イギリスに来て五年目となり、毎日の生活の中で日本と微妙にマナーや常識が違うなと思うことがよくあるので、ご紹介します。これからイギリスで生活する人は是非気をつけてください!
ただし、こちらはスコットランドでの常識なので、イングランドでは違いがある場合もあるかもしれません。
日常生活のマナー
バスや電車での通話
日本では公共交通機関の乗車中に電話をすることはマナー違反とされていますが、イギリスではそのようなマナーはありません。もちろん寝台列車などは別ですが、通常の時間では友達や家族と乗車中に電話をしている人というのはよく見かけます。
またこちらでは公共交通機関上に無料のWifiがある場合が多いので、それを利用してskypeなどを楽しむ人もいます。一日50MBまでなど制限があるので音声のみが良いと思いますが。
私も通勤時間が少し長いので、よく仕事の後に家までの道などで電話をしています。
チップ
こちらは逆に日本にはないマナーですが、レストランでは他の欧米諸国同様チップがマナーです。カウンターやバーに自分で注文しに行ってその場で払うような場合はその限りではありませんが、(それでもたいていカウンターにチップ入れがある)自分のテーブルにウェイターが来てくれるようなレストランでは、担当がつき、滞在中同じ人が注文をとったり、料理を運んできてくれます。その場合はその人のサービスの良さに応じてだいたい10%のチップを払うのがイギリスでのマナーです。
アジア人はあまりチップに慣れていなくて払わない人もいますが、働いている人は今日はいくらチップがもらえるか、というのを楽しみにしていたりするのでチップを払わないのはかなり非常識だと捉えられます。
チップをするには、会計後にテーブルに小銭等を置いていくのが普通ですが、最近ではクレジットカード決算時に会計端末にPINコードを入れる前にチップを払うか聞かれる場合もあります。画面をよく見てみましょう。
また現金を持っていなくて確実にチップを払いたい時は、カードの金額入力をウェイターがする前に、伝票の金額を見て、その10%増しくらいのキリのいい数字で「£
○○で」と宣言するのもありです。そうするとチップを聞かない端末の場合でもチップを足した金額が請求されます。
またはチップが元々料金に含まれているレストランもあります。ちょっと高級なレストランなどはサービス料という名前で伝票にそう書いてあることもあるのでチェックしましょう。万が一何かすごく失礼なことをされた場合などはそれを断るというのもアリです。
またチップはレストランなどだけでなく、思いがけず何かサービスを受けた時などに払うことがあります。お礼に少額のお金を渡すことはイギリスでは失礼なことではなく、チップとして受け入れられます。
スーパーでの並び方
イギリスにあって日本にないスーパーでの常識といえば、日本ではカゴをスーパーのレジに持って行って店員さんが会計をしながら別のカゴに入れなおしてくれますが、イギリスではベルトコンベア式のレジで、そこに会計するものを並べていき、店員さんが会計したものを自分で袋詰なりカゴに入れなおしたりします。その際、ベルトコンベアに商品を並べ終わったら、次の人との境が分かるように仕切りをおきます。
またベルトコンベアに並べるので買い物の量がだいたい見て分かりますが、イギリスでは大量のものを買う人の後ろに1,2つだけ買う人がいた場合は譲ってあげるのがマナーです。譲ってもらった場合にはもちろんしっかりお礼を言いましょう。
レジでの支払いは手渡しする
これは私も気づくのに時間がかかったのですが、イギリスでは買い物をしたレジで小銭や紙幣を支払う場合、手渡しするのがマナーです。
イギリスではスーパーなどで日本で見かけるようなレジの小銭受けのようなものはありません。なので私は支払いの際に数えやすいようにと思ってレジのカウンターに置いていました。
するとある日レジのおにいさんに「お前それ俺が取れってことか?」と言われ、初めてイギリスではやってはいけないことだったのだと気づきました。
それからよく他の人が小銭を支払うところをみると大抵紙幣でも小銭でも手渡ししています。今までカウンターに置いていたのが嫌がらせのようになっていたようです…。
数年住んでいて言われたのはその一回だけだったので、たぶんものすごい悪いマナーというわけではないようですが、でもやられた方は、え、どうして?と思うみたいです。
くしゃみをした人に “Bless you”
これはヨーロッパの歴史に関係があることですが、イギリスでは誰かがくしゃみをしたら、知り合いでなくても “Bless you” と言います。これは「あなたに神のご加護がありますように」という意味ですが、信心深い人でなくてもマナーとして言います。
ヨーロッパでは昔結核が流行ったので、くしゃみをすると、その時に血を吐いてもう先は長くないと知る人がいたからで、あなたが生き延びられますように、という意味になります。
現在ではくしゃみをしたからもうすぐ死ぬということはありませんが、その名残で今でも “Bless you”と言います。街中でくしゃみをすると何人もの人から言われたりします。
言われたら、シンプルにThank youと言いましょう。
またこの文化はヨーロッパ全域にあるため、逆に日本では “Bless you”ってなんて言うの?と聞かれることがありますが、その時には日本ではそういう文化はないのでそれにあたる言葉はないよと私は説明します。お大事に、くらいは言うかもしれませんが、道端でくしゃみした人に知らない人が言うというのは日本ではあまりしませんね。
くしゃみをする時ひじを使う
日本ではくしゃみをする時、手のひらで口を覆うのが普通ですが、イギリスでは肘を使います。手が汚れるのがよくないからです。
実際ひじでくしゃみをするのに慣れるとだんだんそっちの方がいい気がしてきます。着ていた服はまた洗えばいいですし。ただ手だったらすぐその場で洗えるので一長一短ですね。
でもイギリス人ってよく風邪をひいているイメージなのでどちらの方が菌がばらまかれないかというと分かりません…。
あとから来た人のためにドアを開けておく
これは割と映画などでも見かけるので知っている人も多いかもしれません。しかしイギリスではこの後ろから来た人のためにドアをあけるというのはほぼ100%やるマナーなんです。なのでやらないと逆に「えっどうして」と思われるかもしれません。
老若男女誰でもやります。後ろから来た人が少し離れていても空けておく人が多いです。男性が女性にあけておくばあいレディーファーストをする人も多いです。その場合”After you”(お先にどうぞ)みたいなことを言ったりします。そう言われたら”Thanks”と言って通りましょう。ちなみにスコットランドではありがとうを”Ta”と超省略して言ったりします。Taと言われて意味不明かもしれませんが、それはありがとうの意味です。覚えておきましょう。
仕事や学校でのマナー
上司より先に帰る
日本では上司が帰るまで部下はオフィスに残るというのがマナーになっている職場も多いですが、イギリスではそのようなマナーはありません。私の会社でも一日の労働時間が決まっているだけで、早く来た人は早く帰り、遅く来た人は遅く帰ります。
逆に責任のあるポジションの人は長くオフィスにいる場合もあるので、上司の方が遅くなる可能性の方が高いです。
元々日本に比べると上下関係が緩めで、下の名前で呼び合ったりするので上司をたてるというプレッシャーは少ないのかもしれません。それでも上司には敬意を持って接するのが社会人の常識ですが。
居眠りはご法度
日本に来た外国人がよくびっくりするのが、日本人はよく学校の授業中などに居眠りをしていることです。
国にもよるかもしれませんが、少なくともイギリスでは居眠りは非常に失礼な行為にあたり、目上の人の前で居眠りするのはとっても非常識です。授業中にうつ伏せで眠っている人や仕事の休み時間に眠っている人というのは私は見たことがありません。
また仕事や学校だけでなく、公共の場でも居眠りというのが日本に比べるとあまり良いものとされません。毎日規則正しい生活をして、十分な睡眠を取り、万全の体制で仕事や学習に望むのがイギリスでの大人のマナーです。
以上です。国によってマナーは大きく変わるので、日本での常識は捨てて、郷に入っては郷に従え、イギリスではイギリスのマナーを身につけましょう。
とだまなと
とだまなとです。趣味はラーメンを食べることです。イギリスっていいですね!