正社員になってから初めてのお給料ももらいましたので、今回はイギリスでの所得税について話していきたいと思います。
何かと税金が高いと言われているヨーロッパですが…。
イギリスはその中では比較的税金は少ない方だと思います。
イギリス(2017年現在の時点で)年収£11,000以上から所得税が20%かかり、それ以降は年収に応じて率が上がります。
私は去年はバイトしかしてないので、税金免除の範囲に収まり、所得税は払いませんでした。
ソース:https://www.gov.uk/income-tax-rates/current-rates-and-allowances
ただし所得税は超えた分にしかかからないので、£12,000の年収だったら、税金がかかるのは£11,000を引いた£1000だけ、その£1000の20%なので払うのは一年間で£200になります。
引かれる仕組みとしては、その月のお給料の12倍を年収と仮定して、それが£11,000を超えていればその分の税金が引かれる感じです。でもお給料は途中で変わったり、全員が一定の給料を毎月もらうわけないので、年末に調整があります。
でも実際はもっと複雑な計算で、ボーダーぎりぎりの人は加算されないとか、給料が安定してない場合はされないとか色々あるみたいです。実際私は去年までパートタイムで働いていたので、月によって給料がかなり違いましたが、12倍したら£11,000超えるお給料をもらった時でも税金は引かれていませんでした。
今は正社員になって毎月同じ給料をもらうようになったので、最初から引かれています。
しかし20%のはずなのに引かれてる分それより少なくない??って思ったら最初の£11,000はかからないからそれも計算されてたみたいで、気づきませんでした。全額にかかるんだと思ってたので思ったより引かれてなくて嬉しい。
こちらが日本の所得税率。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
ソース:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm
£11000は現在160万円位なので、年収160万円で20%というのは日本の330万で20%と比べたらやっぱり高いですね。税率が一番高いのがイギリスも日本も45%ですがそれもイギリスでは2000万円から、日本では4000万円からです。
日本人の2016年の平均年収442万円を(ソース:https://doda.jp/guide/heikin/)を換算すると約£30,000。イギリスだと20%、日本でも20%です。日本ではアルバイトでもちょこっと税金で持っていかれますが、イギリスでは160万円稼ぐまで税金がかからないので、そこだけですね。
しかし北欧では軒並み50%以上ですから、それに比べればやっぱり超安いんです。半分以上ってやばくないですか?
あと、給料からもう一つひかれるのが国民保険です。以前国民保険番号の申請の仕方は載せましたが、政府のウェブサイトには12%って書いてありますがなんか計算が合わなくてよく分からない…。こっちは所得が低くても引かれます。これは年金や産休などのための保険です。会社がいくらか払ってくれる感じです。けどまぁなんだかんだ合計で30%くらい引かれる感じですね。これにまた住民税とかもあるのでやっぱりヨーロッパは税金が高い…ですけどやっぱり日本とそこまで大きく変わらないヨーロッパの先進国はイギリスくらいではないでしょうか?
しかし高いのも当然です。医療費も大学も(イギリスはちょっとかかりますが)タダ。老人ホームも国営で、食品も基本的な食べ物の税率は低くなっていますし、生きていくだけならお金がかからないのがヨーロッパ。
お金がなくてもなんとかなる、という気持ちが人生において確実に心を豊かにすると思うので、その点はとても素晴らしいと思う。
医療費タダっていうのもホントです。住民は外国人でもタダ(ビザ取得時に保険費を徴収されますが)、旅行者も場合によってはタダ。病院に突然行っても診てくれます。
日本の保険と同じように医療目的でないものはお金がかかりますが、でも例えば避妊用ピルなんかもタダでもらえるし、ガン検診とかもこないだ行きましたけどタダです。
むしろヨーロッパ人はそれが当たり前だと思っているので、日本やアメリカは患者から金を取る非道な制度を行ってると言う人までいます。
何が当たり前かっていう話ですね。
スウェーデン人はホント何にもお金がかからないので貯金とか日本人に比べればしないみたいです。だって大手術しても入院しても全部タダだから。万が一の時は国がなんとかしてくれるので個人が貯金せず、税金としてお互い助け合いましょうっていうことですね。しかもマイナス金利で貯金したら減ってくし。だから皆もらったお金はほどよく使い、休暇も長い北欧では旅行をするのが当たり前だし、大学生で家建てた北欧人も知ってるし、ホント税金の仕組みで国民の人生って大きく変わります。
税金が高いと言うのはそれだけ聞くといやな感じですけど、国民全員保険に入って助け合うっていう感じなので私は悪くないと思います。貯金する必要がなかったら、もらった分は使えるので働くのも楽しくなるし、人生の根本的な不安がいろいろ解消すると思いませんか?
年金の積み立ても始めましたが月に2000円くらいです。で会社がもう半分はらってくれます。しかし日本と比べたらバカ安いです。まぁたぶん所得税とかでその分多く取ってるんですかね。名前の問題かもしれないけど、所得税はお金を稼いだ分持っていかれるだけで、気持ちとしては健康保険とか年金の積み立てとかより楽かもしれません。
まぁ色んな国の仕組みがあっていいと思うんですけどね、私はこの医療費や税金の仕組みはヨーロッパ方式の方が好きです。
といっても日本は医療保険についてはわりとしっかりしてますからね。ただ病気した時はどうしよう…とかやっぱり皆考えますよね。やっぱりタダにはかなわない。
ヨーロッパで住んでいて、貯金の話とか、万が一の時の話とかあんまり聞きませんもん。
もちろんその制度がどれだけ持続可能か、とか色々あるとは思いますが…。
それでも、イギリスは日本とそこまで常識が変わらない割に、社会保障制度はしっかりしてますね。日本で医療費タダとか無理じゃないですか。どこで埋め合わせてるんでしょう…? 油田か?
私が大嫌いな住民税についても以前書きましたので、イギリスの税金について気になってる人はそちらも是非読んでみて下さい。
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