苦節5年、とうとうずっと念願だったイギリスの永住権を取ることができました!

やっぱり永住権を取ってすごく安心しましたし、大好きな国にずっと住めることが何よりうれしいです。

私は8年前にイギリスに来て、1年英語の勉強をし、1年大学院に通い、その後5年就労ビザで働きました。大学院の後の猶予期間などに就活したり色々合せて計8年くらいです。

大学院時代やイギリスでの就業については今まで他にも記事を書いてきたので今回は永住権の申請にフォーカスして書きます。

また今までのイギリス生活についてのまとめも書けたらいいなと思っています。

 

1、就労ビザで働く苦労

私は5年就労ビザで過ごしたことは正直辛い面も多くありました。

メイ政権のビザ条件が厳しい時期に運良く仕事を見つけて、大学卒業後ほとんどの友人たちが国へ帰っていく中イギリスに残れたことはとても幸運だと思っています。

しかしだからこそ、たまたま見つけたこの会社を絶対にクビになってはいけないという不安をずっと抱えていました。

私は特にイギリスに住みたい気持ちが強かったので、もし仕事がうまくいかなくなったら私の夢のようなイギリス生活も終わってしまう…という漠然とした不安がずっとあり、ちょっと上司にきつく言われたりする度に心臓がバクバクいったり、人事に人種差別的なことを言われた時も何かトラブルになってはいけないと思い言い返せなかったりしました。

もちろん違うビザには違う苦労があると思いますが、私は就労ビザも特に数年前までビザ要件が緩和されるまでは苦しい気持ちがありました。

私の会社は簡単に社員をクビにしたりするような会社ではありませんでしたが、それでも万が一もしクビになったり、何か会社にいられないようなことが起きたら、

仕事がなくなれば生活ができないのはもちろん、ビザがなくなってイギリスにいられなくなったらせっかく買った家にも住めない、大好きな友達とも一緒にいられない、大好きな街にも暮らし続けられない……私の人生が一変してしまうという怖さです。

なので永住権を取るまではとにかくトラブルを起こさない、ちょっと嫌なことがあっても我慢する、少しでも会社に恩を売るを心がけていました。

2020年に就労ビザの要件が少し緩和されて、私のようなIT業界で働く人はビザをぐっと取りやすくなったので正直それからは万が一には仕事を見つければいいやという気持ちにもなりましたし、時々LinkedInとかで転職の話があったので、結局転職はしませんでしたが何度かは面接を受けてみたりして、少し気が楽になりました。

なのでもしかしてこれからイギリスで就労ビザを取ろうと言う人は、私の時ほどの苦労や不安はないかもしれませんが、それでもやっぱり会社に生活が丸ごと、金銭面以上に依存しているという苦しみはあると思います。

私はやはり永住権を取れてからはちょっと緊張が解けたというか、仕事がどうしても嫌になったら別にやめてもいいんだ、と思えることがすごい嬉しかったです。もちろん実際には簡単にやめたりしませんが。

 

2、申請の手順

さてそんな苦労もありつつ、なんとか五年を乗り過ごしたのでいよいよ永住権の申請の時期が近づいてきました。

事前に先に永住権をとった同僚や友達に色々話を聞いたりはしていましたが、Tier2や他の就労ビザからの切替は簡単です。

必要な書類も特に特別なものはなかったのでそんなに心配することは無いと思います。

Tier2申請の時は会社の弁護士を通して申請して、費用も会社持ちでしたが、永住権はもう会社とは結びついていないので自分で申請しました。

会社に頼めば申請を手伝ってくれたりしたかもしれませんが、正直永住権を取れたらやめたければやめられることになるので、あんまり会社には頼りたくなかったので特に相談もせず勝手に自分で取りました。

勝手にといっても就労証明が必要なので会社に申請前には伝えましたが。でもそこまでの準備は自分で進めました。

 

大まかな手順は

  • Life in the UKテストに合格
  • 必要な書類を集める
  • 永住権を申請する
  • アポイントメントを取って指紋登録などをする
  • 永住権を受け取る

 

です。

 

3、Life in the UKテスト

まず最初にやることはLife in the UKテストです。これはイギリスの歴史・法律・一般常識などの知識を問う試験です。以前は国籍を取得するために必要だったのが今は永住権の時点で必要になったようです。なので時々問題が国籍を取ること前提みたいなやつも混じっていました…。

ちなみに本を買って勉強する人も多いようですが、私はオンラインの教材のみで特にお金をかけずに勉強して無事合格しました。

私が使ったウェブサイトはこちらです。

ここに過去問などを元に作った模擬試験が沢山あります。何十個もあるのでそれを繰り返し解きまくれば合格できます。

Study Materialsというページの教材をまずは一通り読み、全体を理解したら、TestsやEXAMSのページの模擬試験を受けまくります。

私は1個ずつまずは全問正解できるまで繰り返し解いて、最後まで行ったらまた最初から…と繰り返しました。

だいたい一ヶ月集中して勉強しました。仕事の後1日2-3時間勉強して、週末は5-6時間勉強して…みたいな感じでしょうか。

これでだいたいコンスタントに合格点を取れるようになって本番は一回で合格しました!

でも勉強せずに適当にやって受かるような内容ではないと思います。

イギリスのオリンピック選手の名前とか、裁判所の種類とか、コンコルドが初めて飛んだ年とか、皆さんまず知らないと思います。

年号を聞く質問もかなり多かったので苦労しました。私は語呂合わせを無理矢理考えまくって覚えました。

世紀くらいまではだいたいの歴史の流れで分かると思うので、下二桁を覚えることに集中しました。

When was Emmeline Pankhurst born?
1858 子ヤギみたいなエメリン生まれた 58と「子ヤギ」の「こ(5)や(8)」をかけています。

When did the Wars of the Roses end?
1485 やんごとなき薔薇戦争終結 85と「やんごとなき」の「や(8)んご(5)」をかけています。

このようにかなり無理矢理で意味不明な語呂合わせでいいので考えまくります。むしろ意味不明なほど頭に残って覚えられるということもあります!

他にもいくつか私の考えた語呂合わせをご紹介します。

 

When did Winston Churchill die?
1965 むごいねチャーチルの死

Who was the first person to lead a Roman invasion in Britain in 55 BC?
55BC ゴーゴーバックユリウスシーザー

When did the ‘Concorde’ aircraft carry passengers for the first time?
1976 なろうコンコルドの最初の乗客

 

歴史以外の数字系も全部これで覚えます。

 

What percentage of the total British population is located in Scotland?
Over 8% ハッピースコットランド人!

How many National Parks are there in England, Wales and Scotland?
15 行こう国立公園に。

 

こんな感じでとにかく思い出すきっかけになるような語呂合わせを考えていけばOKです。別に試験が終わったら忘れてもいいので無理矢理の語呂合わせで短期的に覚えます。

歴史が得意な人はもっと簡単に覚えられるかもしれませんが。でもかなり細かいことを聞かれるので無勉強で合格する人はまずいないと思います。

ちなみに出身国ごとの合格率というのが発表されていて、日本人はかなり勉強していくんでしょうか、かなり高い合格率です。確か80%とか。逆に30%とか低い国もあります。

別に落ちても何度も受けられるし、一度受かれば有効期限などもないので、永住権申請が近づいてきたら早めにとってしまっていいと思います。

私は結構ぎりぎりに一ヶ月前に取りましたが、もっと早く半年とか、一年とか前から勉強を初めてもいいと思います。

Webサイトから申し込んで試験を受けますが私が申請した時は特に大きな待ち時間もなく近所のテストセンターで受けられました。だいたい大きな街にはあるみたいです。

カンニング防止の身体検査などがあって、入室後は各自PCで受けるような感じです。

終わったらすぐに結果が出ると聞いていましたが私はでなくて、数日後にWebサイト上で確認しました。

結果もEメールで来ると聞いていたのに特にEメールは来なかったです。Eメールシステムのエラーとかでそういう人が他にもいたみたいですが特に問い合わせなどはしませんでした。

永住権申請に必要なのはWebサイトやおそらくEメールにも書いてあるであろうリファレンスナンバーです。

私はEメールも来なかったので特にEメールのコピーを申請の際に添付したりはせずただ申請中に聞かれたリファレンスナンバーを入力しただけでしたがそれで特に問題ありませんでした。

正直私は面倒くさがり屋なので、一応と色々書類を追加したりせず、聞かれた最低限の書類だけを提出しましたが特に問題なく申請も通ったので不安にならずに申請して平気だと思います!

 

4、必要な書類集め

次は申請に必要な書類を集め始めます。

実は細かい書類の指定フォーマットなどは申請をして最後のページまでいくともらえるのですが、そこから指紋登録などのアポイントメントの日までにその書類を集めないといけないので、アポイントメントがどれくらいすぐかにもよりますが、時間がかかる書類もあるので先にある程度準備してから申請を始めた方がいいと思います。

特に職場からの就労証明のレターなどは会社の都合などもあると思うので、私の場合それをもらってから申請を始めました。

私が提出した書類は以下です。(申請したのは2022年1月なので、現在の必要書類を確認して下さい。)_

  • BPRカード
  • 就労証明のレター
  • 出国日の証明のレター
  • 大学の卒業証明書のスキャン
  • パスポートのスキャン
  • 銀行の明細
  • 給料明細
  • 署名の紙

 

銀行の明細・給料明細

銀行明細は一ヶ月分、それ以上はいりませんと書いてありましたが過去30日分という意味なのかよく分からなかったので今月分と先月分の2つを提出しました。私の場合1月に申請したので12月と1月の分です。それから給料明細も一ヶ月でいいと書いてありましたが、あとで詳しく書きますが、申請をしてからアポイントメントの日まで約一ヶ月あったので、書類のアップロードはアポイントメントの数日前にして、給料明細を二ヶ月分提出しました。これは移民アドバイスのWebサイトに追加で直近の給料明細も出せと言われた人がいたからです。別に提出してすぐに返事が来たので特にそれで困ったりはなかったみたいですが、アップロード自体はできるようになってたのでしました。それ以外は基本的には提出を求められた最低限のものだけを提出しました。

結構同僚なんかは一応といってカウンシルタックスのコピーだとか、旅行した時の航空券のコピーとか、銀行明細も一応半年分とか、色々追加で提出している人もいましたが私は特にしませんでした。集めるのが大変ですし、私のパートナーいわく「そういう方が怪しい感じがして逆に審査に時間がかかると思う」だそうなので…。実際最低限の書類で問題なかったしすぐに審査も終わったのでそれで良いのではないでしょうか?もちろん書類はいくつでもアップロードできるようになっていて、アップロードしたせいで落ちるとかもないので完全にUp to youです。

ちなみに私が書類を集めたり、申請の細かい意味などを知る上で大変参考になったのがこちらのウェブサイトです。移民局の人なのか?みたいな人がかなり細かくアドバイスをくれています。最近申請した人がいつ申請していつ返事が来たとかも細かく書いてくれていたり、こんなことを言われたとかそういうことも書かれています。質問すれば色々教えてもらえるし、日付の数え方とか、申請フォームの細かい意味とかとにかくだいたいの疑問はここで解決します。会社に頼むレターのフォーマットみたいなのを載せてる人もいますし、他にもアドバイスサイトは沢山あるので自分で申請して困ることはないと思います。

 

就労証明のレター

私も会社に頼む就労証明のレターはオンラインで他の人が載せているのを三枚くらいくっつけて自分に合うように変えて提出しました。このレターに含めないといけないことは申請を進めたページに詳しくあるのですが(申請前に載せてくれ!)

  • 雇用主が私をまだ必要としていること
  • 最後に就労ビザを申請した時のSOCコードと、コードの就労カテゴリ
  • 現在の年収
  • 給料が上記のSOCコードの職業に必要な収入を超えていることの確認
  • その他産休中などの場合は詳細

などです。

その他「彼女の申請をサポートします」とか就労の契約時間とか他の人のレターを見ながら色々入れました。

これを私がまずは書いて、サインできる状態にして会社の人事に送って、会社のレターフォーマットに直してもらってPDFで受け取りました。

こんな感じでテンプレートをこちらで作って会社に承認してもらう感じがスムーズだと思います。書かなきゃいけない内容とかが決まっているので申請に慣れている人がいるとかでなければ、向こうに用意してもらうと時間がかかってしまうでしょうし。うちは小さい会社だったので私が先にテンプレートを作りました。これはConfirmation of Employmentレターで検索すればネットに他の人の例があります。

 

出国日の証明のレター

それから会社からもらうもう一つの書類が有休取得記録です。これはイギリスから離れていた期間を証明するための書類です。他にも証明できる書類の種類がいくつか申請ページに載っていましたが、会社からのレターをもらう人が多いのではないでしょうか。

Confirmation of UK absenceみたいな感じで検索すれば他の人のテンプレートが出てきます。何日から何日までどこにいたみたいなリストを作ってレターにします。あとは出張などもリストにしないといけないようなので海外出張など多い人は大変になるかもしれません…。私は有休申請日、パスポートのスタンプ、メールに残っている航空券、旅行の写真などを確認しながら表を作りました。

 

パスポートのスキャン

あとパスポートのスキャンも必要ですがこれは全ページをスキャンします。そうすると申請ページでアップロードできる容量を私の場合超えてしまったので、少し圧縮したり調整しました。黒白でもいいみたいです。それでも駄目ならいくつかに分けてスキャンすればいいみたいです。圧縮などローカルでやる方法が分かる人はいいですが、パスポートなのでオンラインツールなどは一応避けたほうが良いと思います。難しければ素直にいくつかのファイルに分けるのが簡単だと思います。ちなみにスキャンしてもどっちにしろ指紋登録の時にまた全ページスキャンでしたが。

 

あとの書類は特に難しい部分はなかったと思います。他にもサポートドキュメントを自由につけられるようになっていますが私は上記のリストの書類のみで申請に通りました。

 

5、申請日について

申請ページには永住権の申請は私のように就労ビザからの切替の場合5年間の条件を満たす日の28日前から申請ができるとなっています。しかしそれはオンラインの申請をした日なのか、それとも指紋登録のアポイントメントが終わって審査が始まった日のことなのかいまいちよく分かりません。ただ申請確認書類にはDate of applicationと書いてあるので、基本的にはオンラインの申請日でいいのではないか?と思います。

私の場合結局会社からの書類がすぐに集まらなかったので5年を満たす1日前にオンラインで申請をしました。ただImmigration boardsによればこの28日というのは移民局からの譲歩ということなので、もしかしたらきっちりしたルールというより数日なら5年に足りなくても多めに見るよという程度のことなのかもしれません。なので特に急ぎでなければ5年を待ってから申請すれば安心だと思います。

でも中にはかなり前に申請して、永住権の審査結果が出る日が28日前という数え方で通る場合もあるみたいです。あまりそういうリスクは取らないほうがいいと思いますが何か特別な事情があれば移民局に相談するというのもありかもしれません。

 

6、プライオリティサービス

これは他のビザを申請したことがある人はご存知でしょうが、イギリスのビザは申請費に上乗せをすると早く審査をしてもらえます。

永住権も同じで、私が申請した時は、£500なら5営業日以内、£800なら1日で審査してもらえるとなっていました。

ちなみに追加料金を払わないと最大6ヶ月かかるそうで、実際6ヶ月かかっている人も多いみたいです。

私は6ヶ月もずっとドキドキしながら待つのが精神的に辛そうだったので絶対にプライオリティサービスを使おうと前から決めていました。

やっぱり不安なことがあると生産性も落ちると思うし、私の場合実は永住権を取ったら早くもっと給料のいい仕事に変えたいと思っていたので、その価値があったと思います。

数年前までは£800の選択肢しかなかったようですが、£500も追加されたのでそちらにしました。

 

7、アポイントメントの予約

これがとても困ったところです。オンラインで必要な情報などを入力したら、書類をアップロードする前にまず指紋登録のアポイントメントを取ります。

これは他のビザでも同じだと思います。

しかし2022年1月の時点でこの予約がすごく混んでいて全然取れない!

実は永住権について調べていたところ、他の人も同じようなことを沢山書いていたので覚悟をしていましたが本当に全然取れない。

私の住んでいる街では一切取れず、隣町なら一ヶ月先に空きがあるみたいな状況で、隣町までわざわざ行くか…?と悩んでいました。

この記事を書いている時点でもしかしたら状況がマシになっているということもあるかもしれませんが、私が申請した時はオミクロンなどが流行っていて人手不足のせいかとにかく予約が取れない。

そこで調べてみると、この予約というのは朝の9時に追加されるそうなので、朝の9時ちょうどにパソコンの前で待機してページを更新してみました。

すると確かに住んでいる街の予約が出てきたました!と言っても毎日一ヶ月先のスロットが出てくるだけなので一ヶ月待たないといけないのは変わりません。

ですが、このアポイントメントは有料枠と無料枠があって、サービスは同じなので不平等すぎるだろと思いますが、なんとか無料枠で取れました。

一ヶ月待つとはいえ永住権がとれることには変わりませんし、やはりコロナも流行りの時期に隣町に電車で行くのも嫌なので良かったです。

アポイントメント自体は他のビザ申請と同じでした。アポイントメントの2日前までにオンラインで書類をアップロード。

当日はパスポートとBPRカードを持って写真を撮ってもらって、指紋登録して、パスポートをスキャンしてもらって終わり。すぐに終わりました。

担当の人も優しかったし、すんなりでした。

 

8、審査結果とBPRカード

そして申請が済んでからはプライオリティサービスの料金を払ったので実際3,4日目くらいで審査に通ったとメールが届きました。

一週間後くらいにBPRカードが届いて、前のBPRカードはホームオフィスに郵送して終わりです。

こうしてようやく念願の永住権を手に入れました。

と言ってもこれからもずっといられるというだけであって、毎日の生活が変わるわけではないのでなんかすごい感動があるという感じではありませんでしたが。

ホッとしたという気持ちの方が強かったです。

BPRカードも有効期限があるのでまた申請をしなくてはいけなくなりますがとりあえずこれから当分イギリスに住めるというのが喜びです。

転職が自由にできるようになるのもすごく嬉しいです。そして実は永住権取得後実際に就活をして転職が決まったので、またその話は別に記事にしたいと思います。