イギリスでは日本よりも多様な避妊方法が認められていて、女性が積極的に避妊をしています

日本ではコンドーム以外には、毎日ピルを飲む避妊方法が一般的ですが、イギリスではその他に注射、インプラントなど様々な避妊方法の選択肢があります。

私もイギリスに来るまではあまり知りませんでしたが、友人などと話しながらそのことを知り、パートナーとより安全に過ごせるように、避妊注射を選ぶことにしました。

 

避妊注射デポ・プロベラとは

この注射はデポ・プロベラ、通称デポと呼ばれていて、イギリスでも最も認知されている避妊方法というわけではありませんが、だんだんと広まってきています。避妊注射自体は英語で単にthe shot(ショット)とも言われるみたいです。

その最大の特徴は一度注射するとその避妊効果が3ヶ月続くこと。3ヶ月に一度GPへ行ってナースに注射してもらうだけで、通常の避妊用ピルの様に毎日何かを飲んだりということは必要ありません。

毎日忘れないようにするというのが苦手で、大きなストレスとなる私にとっては、このような長期的効果が得られる避妊方法はとても魅力的でした。

この他にも毎日飲むピル以外の長期避妊効果が得られるものとしては、腕に埋め込むインプラントだと一度手術すれば3年、さらに膣内に埋め込むタイプだと5年避妊効果が続きます。日本ではこのようなタイプの避妊方法はあまり認められていないので女性が行う避妊方法と言うと毎日決まった時間にピルを飲む、という風になりますが、私の様にそれが苦痛になる人にとってはイギリスやその他欧米諸国で暮らしている場合別の選択肢があることは喜ばしいことだと思います。

 

デポのメリット

このデポ注射のメリットはいくつかありますが、もちろん最大のメリットは注射が3ヶ月に一度だけで済むという点です。コンドームの間違った使用や、破損リスク、ピルの飲み忘れなどの失敗がないので避妊効果はより高いです。

他にも

  • 生理が止まる場合がある(健康に害はない)
  • 止まらなくても軽くなる

など生理の煩わしさが軽減する場合が多いです。これは全ての人に起こるわけではないようですが、生理がなくてそれが安全であるならばラッキーなことだと思います。この生理の休止は将来の妊娠や健康には害がなく、デポの良い副作用として知られています。

Healthlineによれば、最大半数のデポ使用者が使用一年以上で、生理が来なくなったと報告しているそうです。私はまだ完全に止まったかどうかは分かりませんが、量は軽くなっていますし、もし安全であるなら生理は無い方が良いなと思います。これはもう数ヶ月してみないとわからないかも知れません。

 

デポのデメリット

全ての避妊方法においてメリットのデメリットがありますが、デポの使用にもデメリットがあります。私も最初にお医者さんに説明された通りの副作用をほぼ一通り経験したので紹介します。

  • 不正出血が起こる
  • 吐き気が起こる
  • 性欲が減退する
  • 体重が増えやすくなる
  • 一度注射したら取り除けない
  • 妊娠可能になるまで時間がかかる

不正出血

これらの副作用はどの避妊ピルでも起こりやすい副作用ですが、私はデポの最大のデメリットは不正出血だと思います。少量の不正出血を英語ではSpottingといいますが、私もこの少量の不正出血が一ヶ月ほど続きました。この間は正直とてもストレスが溜まりました。

ずっと生理用品を使用していて、頻繁にトイレに行かなければいけませんでしたし、パートナーと安全に性交渉と行うための注射なのに、出血があると少量とは言えベッドを汚さないように気をつけたりカップルとしてもストレスが溜まっていました。

この不正出血は多くのデポ使用者が経験するようでDrugs.comのフォーラムでもそのような相談が多くあります。悪い場合では一年不正出血が続く人もいるようです。このせいでパートナーとの関係も悪化したとフォーラムに書いている人までいますが、そこまでいくとデポ注射とは相性が悪いといえると思うので、私だったら他の避妊方法に変更を検討します。

吐き気

また使用して最初の数週間、強い吐き気を感じる日がありました。これははっきり注射のせいかどうか分かりませんが、でも本当に眠れないくらい気分が悪い日もありました。これはしばらくしたらおさまりました。

 

性欲の衰え

性欲の減退は目で見えないのではっきりとは分かりませんが、私は注射をしてから正直あまりパートナーとの性交渉を前ほどしたいと思わなくなりました。それでも愛情表現として楽しんでいますし、パートナーも私がムードじゃない日は注射のせいだからしょうがないと理解してくれています。でもこの副作用はどちらかと言うと注射をしていないパートナー側が苦しいデメリットであるので、二人で選んだ避妊方法であれば性交渉を否定される苦しみなどを理解し、きちんと二人で話し合うべきことだと思います。

性欲の減退はどの避妊方法でも聞かれるデメリットではありますが、ホルモン量の違いなど避妊方法によって副作用も変わるので、これが大きなデメリットとなる場合には別の避妊方法を試すことも良いかも知れません。私は不正出血が止まった今一番気になることです。

 

体重増加

体重の増加もピルの使用などで聞かれるデメリットですが、私は特に体重の変化は経験していません。でも人によっては十何キロも突然体重が増加したりする場合もあるそうで、これも注射と使用者との相性で使用してみるまで分からないところです。

 

注射の継続性

またこれらの副作用は人によってとても重くなってしまったりしますが、その際に注意しなければいけないのは、このデポ注射は効果が三ヶ月継続するため、他の避妊方法のように途中でやめる手段がないことです。とてもひどい吐き気が生活ができないほどだったとしても、最低三ヶ月待つしか無いということになるので、それは覚悟しなければなりません。

もちろん生活できないような副作用はめったに起こらないので使用が認められているわけですが、でも実際に使用するまでは自分にどのような作用が現れるかわからないのでそのリスクは理解しておいたほうが良いです。

逆に毎日飲むピルであれば嫌になればその日から飲むのを中止できますし、インプラントなどでは手術をすればすぐに取り出すことができます。

またこの継続する効果ゆえ、避妊を中断し、妊娠を望む場合には時間がかかるというのもデメリットです。通常のピルやインプラントであれば使用をやめれば次の月からすぐに妊娠可能となりますが、デポ注射は効果が最低3ヶ月続くので、人によっては妊娠できるようになるまで一年かかることもあるそうです。なので妊娠を近いうちに計画している人はこの避妊方法は適しません

このような副作用は最初の数カ月に現れることがほとんどで、その後は落ち着くとお医者さんにも説明を受け、私は今使い始めて四ヶ月で、様々な副作用を経験しましたがそれほど深刻なものはなく、説明通りほとんどが落ち着いてきたと思うので、今の所次の注射も打つつもりでいます。

 

まとめ

このようにデメリットも多いデポ注射ですが、やはり三ヶ月に一度の注射だけで良い、手術で体に何かを埋め込む必要がない、というのは大きなメリットです。

またコンドームだけの避妊ではカップル両者の積極的な意思が必要となりますし、一定のパートナーがいて、その人との愛情表現を100%楽しみたいと思えば、ピルや注射のようなホルモン薬での避妊の方が魅力的なのは明らかです。

全ての避妊方法にメリットとデメリットがありますが、選択肢が多くなることはより多くの人が避妊を確実に行なえ、また人生やパートナーとの生活をより楽しむことに繋がると思います。日本ではコンドーム以外の避妊方法がイギリスほど積極的に行われておらず、その選択肢も少ないのが残念ですが、もしイギリスで暮らしている人がホルモン薬での避妊を望むのであれば日本で知られている以外の方法も可能であることを知って欲しいです。

 

その後

避妊注射デポ・プロベラを9ヶ月でやめました