イギリスといえば、何が有名ですか。

色々ありますが、食べ物がまずいで有名。すごい不名誉な特徴ですねw

しかし実際にイギリスに住んでみて、こちらでの食事についてどう思うのか。

もうすぐイギリスでの生活も三年になりますが、正直言って初めはイギリスの食べ物がまずいってデマ流したやつは誰だよ!って思うくらい結構おいしくてびっくりしました。

スーパーでの食材もよっぽど日本で買うより野菜とか安いし、日本にはないようなものすごい数のチーズとか、ワインとか、全然イギリスで食べるの悪くないじゃん!って思いました。

しかししばらくすると、色々と考えが変わってきました。

1、食べ物のバリエーション

ホントに何でも美味しいんですけど、よく見たらそれって全部輸入品で、イギリスで作られたものはほとんどなくて、例えばイタリアに行って同じものをたべたらホントもっとずっと美味しいんです。なのでちょっと割高でイギリスではヨーロッパの食べ物のおいしい、もっと日が良く当たって野菜とかがよく育つ国から輸入してるんです。

また、1年もしてくると分かるのが、商品の入れ替わりがほとんどないってことです。正直それが一番、イギリスで辛いことです。

日本人って常に新しい味を楽しむってことに慣れてると思うんですよ。

日本ですごいなって思うのは、コンビニとかスーパーでも常に新商品が出続けること。季節限定フレーバーとか当たり前じゃないですか。

だから常に同じ会社の同じ商品でも何年でも食べられる。

例えばポテトチップスで、前カルビーの幸せバター味っていうのが出て、なんじゃその名前って感じですけど、あまじょっぱい味のポテチ。すごい美味しかったです。そういうちょっと変わり種みたいなのとか、スタンダードなのとか、色々順番に出ますよね。

しかしイギリスでは、初めて来た時こっちのポテチ(イギリスでクリスプという)がおいしくて感動したんですよ、スイートチリ味とか、バーベキュー味とかすごい美味しくて。

でもだいたいポテチの定番のフレーバーが5種類くらいあって、どの会社もその同じ感じのを出してて、しかもそれが何年たっても変わりません。

もちろんたまには新商品が出ます。最近メープル&ハム?とかそんな感じのよく分かんないフレーバーが出て、美味しかったですけど、日本に比べるとその入れ替わりサイクルが極端に遅くて、日本の常に目新しい商品が並び続ける感じに慣れていると、ホントに少ししたら飽きます。

今の毎日の楽しみとしては来月日本に帰った時にありったけ保存の効く食べ物を持ってくることです。

おつまみと思ってスーパーで買おうと思っても、最初はサンドライドトマトとか日本であんまり見ないし、オリーブとかもすごい美味しいし、感動したんですが、しかし一通り食べ飽きると、もうない。

 

つまり、イギリスの食事はまずくない、輸入食品があるから、でもバリエーションがとても少なくて、食品業界がそもそも日本ほど活発でないということです。

日本だったら次から次へと新しい食べ物が流行りますよね。

食べるラー油とか、麹とか、ココナッツオイルとか、最近だとパクチーですか?とにかくいろいろ流行って色んな商品が目まぐるしく発売される。

それがイギリスではありません。

というかイギリスだけじゃなくて、ヨーロッパ全体で日本ほどの目新しさを皆が求めていない。

例えば家で私は結構自炊しますが、基本的には絶対に同じものは作らないですよ。ネットにレシピなんて星の数ほどありますし、同じようなものでも何か変えます。常に新しい発見をしたいタチなので。しかしそれを見たチェコ人の私のフラットメイト、いっつもえーこれってこんな風にもたべられるんだ!!パスタにこんなに種類があるなんて知らなかった!ってびっくりしてます。というか新しいものに挑戦するのは怖い、美味しいと分かってるものを食べ続けたいっていつも言ってます。

そもそも日本といえば寿司しか思いつかないヨーロッパ人、日本にはとても豊かな食文化があるってことを知ってほしいです。

ホントに食の豊かさではアジアが世界一だと思います。食に対する情熱ではやはりアジア人とは気が合い、料理したりレストランに行くのも楽しいです。以前も台湾料理フェスタというのがあって、そういう食べ物の祭典みたいなのってなかなかヨーロッパで見ないですよ。

とにかくパターンがない。それがイギリスの食文化の特徴だと思います。

 

2、外食の文化

また日本と食文化においてもう一つ大きな違いと言えば外食の文化です。

日本のファーストフードとか、そもそものレストランの値段とか安すぎてびっくりです。

最近は飲食業界の人手不足が深刻化とか言ってるのでそんな値段の安さも続くものではないかもしれませんが、しかしやはり知られている通りヨーロッパの外食は高い。

ちょっとしたものでも調理されていれば高いです。

例えばたまに朝時間がなくて、バス停まで行く途中でサンドイッチでも買えばいいや!と思っても、日本のように200円くらいで美味しいサンドイッチが買えるわけではありません。

このサンドイッチで600円です。確かにちゃんと美味しい。けど600円って。どこの超おしゃれカフェのサンドイッチですか。

 

このパスタも1200円位だったんですけど、安いねーなんて言ってました。いやしかし日本で1200円って言ったらまぁ高級ではないですけど、もっと安いレストランなんかいくらでも見つけられますね。サイゼリアなんか行ったら300円で座って美味しいパスタが食べられるじゃないですか。イギリスにそんなレストランは存在しません。もっと物価の安い国に行ってもありません。

座って食べられる300円の食べ物はマクドナルドくらいです。だからこそマクドナルドが激安バーガーで売り出した時衝撃だったんでしょう。

ホントその値段なので、ちょっと帰りにどっか寄って食べて行こうよって感じにはなかなかなりません。よっぽどお金もちでないと。

友達とレストランに行って食べるっていうのが、前々から約束をして、準備して行くような特別なものだって感じです。

とにかくヨーロッパでは座って食べたらお金がかかります。しかし日本に比べてその料金ほど人件費に差があるようには見えないんですけど、ということはレストランがものすごい儲かってるのかっていうと日本の方が次から次へとレストランができるので儲かるのかなって印象ですけどね。

何故ここまで高くなるのかは謎です。

しかし日本の飲食業界の労働環境の悪さを見るに、やはり安い外食を実現するために誰かが犠牲になってるのかな、としか思えません。高校の時バイトしてたレストランの店長が半年一度も休みがないって言ってました。そんなのこっちでやったら法律に触れそうです…。

 

ともかく、日本の食文化はほんとに豊かだと思います。気軽に外食にも行けて、常に目新しい食べ物があって、絶対に飽きません。

イギリスの食べ物はまずくないです、ただとても食文化が貧相なのかなって思います。たぶんそれが海外生活で一番辛いことだと思うので、日本に帰った時は死ぬほど食べ物買い込んできてやろうって思います!