私の暮らすイギリスおよび似たような文化のある欧米諸国(アメリカやオーストラリアなども)では恋愛において、日本ではあまり聞かない文化や用語があります。

私は今までに日本にいた時から含めて、真剣に付き合った日本人以外の人は五人ほど、他にもカジュアルなデートなど含めるともっと沢山の人と付き合いましたし、友人達とも活発に恋愛について語ってきました。

その中で日本とは違うな、日本人は知らないだろうなと思う事情も多く知ったので、用語なども含めて紹介したいと思います。

一般恋愛編

海外では告白しない

これはまず日本人が知るべきことですが、告白というのは日本の文化です。

海外の映画などで告白のシーンなどほとんど見たことがないと思いますが、告白という言葉による恋愛ステータスの確認というのは、少し子供っぽいと考えられています。

ではどうやって恋人同士になるのかというと、ぶっちゃけ雰囲気です。

二人で食事をしたり、パーティーに一緒に出席したり、休日を家で一緒に過ごしたり、ロマンチックな時間を重ねていくうちに暗黙の了解的な感じでカップルになります。

告白もないので、手を繋いだり、キスをしたり、セックスをすることも告白はなしで行われます。告白もされてないのに手を出された!と心配する必要はないです。逆に付き合う気がない場合は手を繋ごうとしてきたなどの時点ではっきりと断りましょう。そのような段階を踏むことでカップルになったり、別れたりします。

それが普通の国の方が日本のように告白してはっきりさせる国より多いみたいです。アジア圏でも多いです。

なので逆に周りの人も、よく一緒にいる人に「付き合ってるの?」とはあまり聞かないかもしれません。特に二人が最近出会ったのを知っている場合はその辺はデリケートなので聞かない方がいいかもしれません。

逆に初対面の人に二人はカップルなの?と聞かれたりした場合に、そこでそうだよと答えることで正式カップルなんだとお互い確認することになる、ということもあります。

じゃあ片方が付き合ってるつもりで片方がそうでなかったらどうするの?という疑問も湧きますが、そういうこともありえることはありえます。しかし、ほとんどの人は好きな人がいれば他の人とデートしたりはしないと思うので、告白しなくても雰囲気で両想いかどうかはわかるのではないでしょうか?

日本では告白や結婚など、契約のようにはっきりさせる傾向がありますが、海外では両想いならば一緒にいる、そうでないないならもう会わないという関係がアリとされるようです。

しかし、このような文化の中でもどうしてもなんだかはっきりしないという場合もあります。あるいは明らかに両想いだけど一応確認したいという場合、出会いがちょっと微妙だったので関係を明白にしたいという場合もあるでしょう。そんな時は次の項のThe talkをします。

 

The talk(ザ・トーク)

これは日本の告白とはちょっと違いますが、カップルの関係をはっきりさせる方法です。いわゆる「僕達付き合ってるよね?」トークです。

きっかけはなんでもいいですが、例えば頻繁にデートして一か月ほどしてからなど、一応確認しておきたいなと思うカップルが時折行うトークです。

日本人の場合これをやっていた方が安心かもしれません。

単に「Am I your boyfriend/girlfriend?」(私はあなたの彼氏/彼女なの?)と聞いたり、「I would like to know what we are」(自分たちの関係がどういうものか知りたい)とか聞いてもいいと思います。あるいは初めて「I love you」と言われた時に「Does it mean we are in serious relationship?」(それってこれは真剣交際ってこと?)と聞いてみるのもいいですね。

もしちゃんと付き合っているならめんどくさくてもこのThe talkをしてくれると思います。

 

友人・家族への紹介

日本では友人や家族に恋人を紹介することはかなりハードルが高く、遊びの相手では紹介することはないと思います。

でも海外だと結構ただのデート相手でも紹介する人もいます。人に紹介することは日本に比べるとそこまで大ごとではないということです。

体だけの関係でも、大勢の友人や家族が集まるパーティーなどにつれていくこともあるため、人に紹介されたから自分が愛されているとは限らないと思います。それよりも相手の愛情表現や、将来の話をするかどうかなどから判断した方が良いでしょう。

逆に、真剣交際であれば一度も人に紹介せず何か月も過ぎるということはまずないでしょう。欧米諸国の人と付き合っていて、相手の友人や家族に一度も会ったことがないのであればそれはどういう関係なのかはっきりと聞いた方がいいかもしれません。

 

カップルのかたち編

海外でもカップルのほとんどは日本と同じく一対一ですが、そうでないカップルもいます。欧米ではそのようなカップルの形が言葉になっているのでご紹介します。

Open relationship(オープンリレーションシップ)

これは日本語でもフェイスブックなどで「オープンな関係」などの選択項目を見たことがある人がいるかもしれません。

オープンリレーションシップは要するに浮気公認の関係のことです。ここでいうオープンは、他の人との関係や機会にオープンであるという意味です。

1人の人とだけ心や体の関係を保つことができない、どうせ浮気してしまうというなら、それをアリだと思う人と付き合う方がフェアであると考える人もいるので、付き合う前から自分はオープンな関係を求めていると宣言する人がいます。

これは通常自分がオープンであることを認めてもらうということは相手も他の人と体の関係をもったりデートをしても良いということなので、ある意味フェアです。

カップルによっては、自分は相手がオープンでも構わないが、自分は他の人に興味がないので浮気するつもりはないよという場合もあります。

浮気というと日本語では完全にネガティブな意味になりますが、最初からそれを公認した関係であればそれほどネガティブとはとらえられないですね。

なので逆に例えばあなたは恋人いるの?と人に尋ねて、いるよ、でも僕達/私達はオープンだよと言われた場合は体の関係ならアリだよという意味かもしれません。

Open relationshipの対義語はClosed(閉じられている)やExclusive(排他的)になります。

逆にオープンは絶対無理と思うなら、「I want only very exclusive relationship with you」と言ってみてもいいかもしれません。ほとんどの人はそうなのでわざわざ言う必要もないかもしれませんが。

 

Polygamous relationship(ポリガモスリレーションシップ)

これは複数のパートナーを持つ関係ということです。Open relationshipとPolygamous relationshipの違いは、Open relationshipが本命がいた上での他の関係に対し、Polygamous relationshipは複数のパートナーを平等に愛する、全員が本命であるという点です。

これはOpen relationshipよりもさらに稀であると思いますが、でも実践しているカップルにも出会ったことがあります。

私の友人(男)の彼女は他にも彼氏がいて、その二人は一緒に住んでいて、友人とそのもう一人の彼も仲が良く、将来的には三人で一緒に暮らすことも考えているそうです。

嫉妬とかしないの?と聞いたところ、「彼が彼女にしてあげられて、僕がしてあげられないことがあった時とか、人としては嫉妬するけど、男として嫉妬を感じたことない」そうです。

このように嫉妬と言う感情が極端に少ない人、刺激的な関係を求めている人、複数の人を同時に愛してしまう人は、最初からPolygamous relationshipを求めている相手を見つけた方が幸せかもしれません。

日本だとそんな関係は不誠実であると批判されて終わってしまいそうですが、名前をつけることで、同じような考えの人が集まりやすくなったり、最初からそういう考えであることを公表することで相手を裏切らない、それを受け入れられる人と初めから付き合うというのが面白いなと思います。

Polygamous relationshipは略して単にPoly(複数)と言ったりもします。また対義語はMonogamous relationship(単一交際)です。

Polygamous relationshipを実践している友人は、複数人のパートナーがいる期間には必ずコンドームを使用する、嘘や隠し事はしない、などのルールも設けているようです。

 

海外での結婚について

結婚というのは日本でも海外でもある程度同じような認識で、最近の日本ではアメリカの映画などで見る結婚の在り方の影響も受けていますしそこまでの違いはないと思います。

でも結婚に至るまでが海外では少し違うなと感じました。

例えば婚約ですが、日本だとプロポーズをしたら数か月後くらいには実際に籍を入れると思います。でも海外だと婚約したまま何年も過ごすという人も多いみたいです。逆にプロポーズして3か月で結婚しました!みたいな人は私はヨーロッパではまだ見たことがありません。長いと10年くらいずっと婚約したままという人もいるらしく…それはさすがに滅多にいませんが、感覚では平均1-2年位ではないかと思います。

婚約したまま子供を持ったり、家を買ったりする人もいて、その段階であれば結婚は本当に単なる法的な手続きに過ぎないというか、日本のように籍をいれるということもないので(戸籍は日本の文化)実生活に重きを置いているのかなというのが私の印象です。

婚約中は色んな人におめでとうと言われたり、二人の生活にもドキドキワクワクがありますし、その期間を長めに楽しもうということなのかもしれません。

またイギリスでは事実婚の権利がかなり認められているので、結婚そのものの価値も近年では少なくなっているように思います。なので結婚すること自体にはそこまで大きい意味がないので、焦る必要はないということかもしれません。

でももしこれはカップルごとに全く異なるので、もし自分がイメージする付き合い方や結婚観があるなら、国際恋愛では特にそれをきちんと相手に言葉で言って伝えるのが大切だと思います。

別に外国人と付き合ったら相手の国のやり方に全て合わせなきゃいけないというわけではありませんし、結局大事なのは恋人どうしてどう決めるかだと思います。恋愛に正解はないので。