飛行機などに乗って、入国カードを書く時などによくOccupationは?と聞かれたりします。

辞書で調べると職業などと出てきたりしますが、その言葉の意味をもっとよく考えると、職業と訳すのは少し間違っています。

 

Occupationは「何かを占めているもの」です。空間を占めている物とか、スケジュールを占めている予定とか、入国審査で言えば生活を占めている役割のことです。

もっと例をあげてみます。

 

Occupationの動詞はto occupyです。

 

The room is occupied. その部屋は使われている。

例えば会社の会議室を使いたいけど、もう誰かが使っていて使えない。そんな時その部屋はOccupiedです。部屋は人で占められています。

 

I’m occupied this week. 私は今週忙しい。

Occupyは物以外でも予定などにも使えます。今週は予定でいっぱいである、つまり忙しい。人が予定で占められています。

 

 

さてでは最初の例に戻り、入国カードに書くようなOccupationについて考えます。

My occupation is a software developer. 私はソフトウェアエンジニアです。

このように職業はOccupationと言えます。自分の生活を占めている役割、つまり普段何をしている人か、ということです。

 

職業ならばわかりやすいですが、Occupationは職業に関わらず、普段何をしている人かということなので、例えば

My occupation is a housewife. 私は専業主婦です。

このように使うこともできます。Housewifeは女性だけに使われる言葉なので、今は男女ともに使えるHomemaker(家庭を作る人)とかFull time mother/father(フルタイム母業/父業)が専業主婦・専業主夫の意味もよく使われます。他にも言い方は色々ありますが、少なくとも2024年のイギリスにおいてはHousewife/Househusbandは一般的に使われていて、失礼な言葉とはとられないので、使用して大丈夫です。

 

My occupation is a student. 私は学生です。

これもOccupationの使い方としては正しいです。Occupationと単に職業として訳してしまうと、専業主夫や学生は無職?となってしまいますが、もし入国審査や、仕事に応募する時など、今は何をしている人なのかちうのが問題になるのに、無職と書いてしまうと、何もしていない人となってしまいます。なのでOccupationは通常は職業を聞いていることになりますが、文脈によっては普段の生活では何を主に役割としてしているのか、ということになります。

 

ということで、Occupationは職業でも良いが、入国審査や、履歴書の作成などの文脈に置いては、Occupationは職業と言うより、何をしている人か、という意味になります。

Occupationに職業は入るが、職業が全てはなく、専業主婦や学生もそこに入ります。また無職の場合も、他にやっていることがないのならそれがOccupationとなります。

定年退職していることを明確にしたい文脈ではRetiredなどと書くこともできます。

普段の生活を「占めている」活動や役割を書くことがポイントになります。

 

ひとつ注意点としては、My occupation isという言い方は普段あまりしません。ここでは説明のためにそう書きましたが、もし誰かにWhat is your occupation? (あなたのOccupationは何ですか?)と聞かれたら、単にI’m a studentとか、I’m retiredと答える方が自然です。Occupationという言葉は少し硬い言葉なので、間違いにはなりませんが、より普通の答え方としては単に私は○○ですと答える方が良いです。

入国カードに「Occupation:」という欄がある場合には、隣にA software developer(ソフトウェアエンジニア)とか、A student(学生)と書きましょう。冠詞を抜いてStudentとか、Homemakerでも大丈夫です。