イギリスの大学院に進学する前、まずは英語をと思い、イギリスの語学学校のアカデミック英語コースに通うことを決めました。そこでの勉強はその後の大学院での学習や現在イギリスで生活するにあたっても役立っています。

さて、アカデミック英語を勉強しようと思った時に、自分はアカデミック英語とは大学などで使われる英語、学術的な英語、という程度の印象でしたが、実際の「アカデミック英語」とはなんでしょうか。

アカデミック英語が大学などの学術的分野で使われる英語というのはあっています。アカデミックとは学術的組織のことなので、論文を書く時に使う英語、プレゼンテーションなどで使われるフォーマルな英語ということになります。

ではどのような英語が実際にアカデミックでフォーマルなのでしょうか。

例えばPolution(汚染)というと、大気汚染とか、そういう文脈で使われますが、この単語は新聞記事などでも使えますが、より専門的な単語があります。Contaminationという言葉が、同じ意味で、より学術的な言葉になります。このContaminationは語源がラテン系で、このようにラテンっぽい単語(慣れるとラテンっぽいというのが分かります)がアカデミックな単語になります。

他にも、Understandの代わりにComprehendとか、enoughの代わりにsufficientとか、だいたい対応する単語がフォーマルバージョンであります。日本語でも買うを購入すると言ったり、座るを着席すると言ったり、違う言い方がありますね。

英語では、日常会話で使われるカジュアルな英語がゲルマニック起源(ドイツ語とか、北欧言語とか)で学術的、専門的分野で使われるフォーマルでアカデミックな英語がラテン起源(フランス語、イタリア語、ポルトガル語など)なことが多いです。

そのため、フランス人やイタリア人が英語をそんなに勉強しなくても、難しい学術英語が簡単に読めたり、アカデミック英語の試験ですごい点数が簡単に取れたりするのに、いざ普通の話をしてみると知らない単語だらけ…というようなことが起きます。

英語圏ではこのような事情があるため、特にフランス語などアカデミック英語に強い影響を与えている言語が話せることはインテリの基準になるので、教養のある人がフランス語を話せるというのはよくある話です。

 

他にも、アカデミックな英語では、主語に”I”を多用しないとか、参考文献の引用の仕方とか、段落のまとめ方とか、はたまた論文やエッセイの構造の決まりとか、日本人があまり知らないルールが沢山あります。

実際に英語ができるというためにはカジュアルな英語と、フォーマルな英語の両方を勉強する必要がありますが、日本人はいわゆる普通のカジュアルな英語をまず勉強しているので、アカデミックな英語の理解は限定的です。

これができないと大学の論文などの採点でまともな点数は取れませんし、友達とおしゃべりはできるのに教授の言ってることが全然分からない、本が読めない、ちょっとむずかしい科学や政治の話になった途端ついていけない、新聞の話題が理解できない…ということになってしまいます。

日本語ではよく敬語が難しい…という言いますが、アカデミック英語も日本語の敬語と同じように全然違う単語が沢山でてきますし、書き方や言い方がそもそも違うので、とても難しいです。

これは独学ではかなり大変なので、学校に通うなり、先生を見つけるなりして、しっかり添削をしてもらいながら勉強するしかないと思います。またはニュースや学術書などフォーマルな英語を多く読んで感じを掴むのもいいでしょう。

また機会があればより具体的にアカデミックな英語についてまとめたいと思います。