言語を学ぶ上で発音はコミュニケーションするためにとても大切なこと。

しかし、発音というのは元々話せる言語、母国語などの影響をつよく受けているので、特に自分の母国語にない音を発音することは言語学習者にとってとても難しいです。

例えば英語であれば、日本人にとって難しいと言われている発音はRとL。この違いがよく分からなくて、相手に何を言っているのか理解してもらえなかったり、聞き取るのが難しいということがよくあります。

英語の学習を進めていくとRとLははっきり違う音だと分かってきますが、学習初期には日本人にとって同じ音のように聞こえるし、発音の違いもよく分かりません。

特定のアルファベットの区別がつかない場合、綴りがひとつだけ違う単語などと混同してしまい、会話の中で意味が通じなくなってしまうこともあります。

実はこのような違いを理解しづらい発音というのは日本人だけでなく、様々な英語学習者にも起きています。

そこで、移民の多いイギリスで暮らす私が知った、各国の人が苦手が発音を紹介します。

 

1、スラブ系の人が苦手なVとW

ポーランド人やチェコ人など、スラブ系の言語を母国語とする人達にとって違いを理解するのが難しい発音がVとWです。スラブ系の言語ではWを英語のVのように発音します。例えばポーランドの首都ワルシャワも英語では「ワルシャワ」に違い発音ですが、ポーランド語では「ヴァルシャヴァ」と、WをVのように発音します。

濁らないWの音がないため、その違いをつけることが苦手です。例えば水のウォーターもスラブ系の人はよくヴォーターに近い発音で言っています。

 

2、フランス人、スペイン人が苦手な頭にHのつく単語

こちらもフランス語やスペイン語を母国語とする友達がいると気づくことだと思いますが、彼らの言語の中ではHが頭に来る場合に発音しません。そのため英語でもHが頭にくる単語の場合、綴りではなく音で単語を覚えているとよく間違えがちです。

フランス人やスペイン人がとてもよく待ちがるのが「Angry」と「Hungry」です。発音すると「アングリー」と「ハングリー」のような感じになりますが、これをよく逆に言ってしまったりします。日本人がRとLを入れ替えて間違ってしまうのと似ていますね。

しかしAngryは怒っている、Hungryはお腹が空いているという意味でどちらも日常的によく使う単語かつ意味が全然違うため、これを間違えると面白い文章になってしまうことがよくあります。例えば “You haven’t eaten since morning, you must be angry!” (あなた朝から何も食べてないの? 怒っているに違いないね)など!笑

 

3、北欧系の人が苦手なChとSh、JとY

スウェーデンやノルウェーなど北欧系の言語では、ChとShの間のような音を使うため、日本人がRとLを区別できないように彼らはChとShの区別が苦手です。Chにはいくつか違う発音がありますが、これらの区別も苦手なようです。

これにより意味が変わってしまう単語としては、例えばCheap(チープ) Sheep(シープ)などがあります。私の友達は前「見てCheapがいっぱいいる!」と言い出して私は意味を理解するのに少し時間がかかりました。Chには、チャ行、シャ行、キャ行など違い発音があるので、キャラクター、シャンパン、チョイスなど難しい単語が多いみたいです。

 

更に北欧人はJとYの区別も苦手です。Jの発音がうまくできないので、Yのようになってしまいます。

「このユース(Juice)おいしいね」とか、「イェリー(Jelly)買っていこう」とかとなってしまいます。

 

4、アルゼンチン人のShとJとY、VとB

これはスペイン語圏の中でも特にアルゼンチン人が苦手とする発音です。アルゼンチン人のスペイン語はイタリア語っぽく、スペイン語の中でも特に訛りが強いとされていますが、実はアルゼンチン人の話すスペイン語にはJのような濁った音がありません。

Vのようなバイブのかかった音もないため、基本的に濁った感じの音が苦手です。

実際そのような音が存在しない環境で生まれ育つと、そもそもその音を聞き取ることができなくなるため、アルゼンチン人にはShとJとYは同じように聞こえるらしいです。ジュースとシューズなど区別がつかないと言えない単語が英語には沢山あります。

またこれは友達から聞いた話ですが、日本語にもアルゼンチン人にとって発音がとても難しい単語が多いそうです。例えば新宿、駐車場、代々木などがアルゼンチン人にとって混乱しやすい発音です。

まとめ

発音はネイティブでない限りどうしても完璧にできないものが出てきます。日本人だとRとLが難しいから英語は苦手、という人も多いと思いますが、どの国の人でも苦手とする発音があるものなので、そこは練習すればOK、1つや2つ分からない発音があっても会話は成り立ちますし、色んな人と話して練習することで少しづつ身につき、聞き取りもできるようになります。日本人が苦手な発音の中で特に混乱を生みやすく難しいのはRとLですが、他にもVとB、FとHなど重点的に練習の必要な発音があります。

発音は本などでも練習しづらく、またネイティブと接する機会がないとんかなか身につけづらい部分ですが、普段から自分がどう発音しているのか、どのように聞こえるのかなどを意識すれば少しずつ上手くなると思います。日本人と話し慣れている人は逆に間違っていても聞き取ってくれることも多いです。

また各国の人が苦手な発音を知ることで事前に心構えができ、コミュニケーションもスムーズに行いやすいと思います。

とはいえ、発音はある程度できれば、コミュニケーションにとって最も大切なことではありません。伝わればOK! 怖がらずにどんどん英語を話しましょう!

以上各国の人が苦手とする英語の発音でした。