私はイギリスでの生活三年間で、一度も学生寮などには入らずずっとフラットシェアをしてきました。学生寮だと個室とかってすごく小さいし、地元の普通の家に住んでみたかったので。

イギリスでは、何世紀も前に建てられた家が沢山今も残り、昔のままなので、一人暮らし用の物件というのはそもそも日本のようにたくさんありません。

なのでイギリスでは普通の家に暮らそうと思ったら、基本的にフラット(イギリスで、アパートのこと)をシェアすることになるのですが、私はこのフラットシェアが大好きです!

そこで、人とフラットをシェアするとどんないいこと、悪いことがあるのか考えてみました。

これはイギリスでの生活のみに限らず、日本でも最近ルームシェア・シェアハウスが広まっているので、当てはまることだと思います。

 

メリット

お金を節約できる

これがイギリスでシェアフラットをする一番多い理由です。もともと一人暮らし用のフラットというのが少ないので、競争率が高く、値段もとても高いです。2017年現在、エディンバラで一人暮らしをしたければどんなに安くても1LDKで£600くらいはかかります。ベットルームとキッチンだけでいいと思ってもそういう物件がそもそもなくて、リビング付きになるので、一人暮らしとだとコスパが悪い場合があります。

そうなると2LDK以上の物件をシェアするのが一般的になります。

例えば我が家の場合、2017年現在エディンバラの価格で、寝室2つ、キッチンとダイニング、シャワートイレ別で二人で合計月£650(95000円位)です。それを二人で割ります。

寝室は私の部屋が10畳くらいあってちょっと大きいので、私が家賃は多めに出しています。それにしても安いです。これは一番安い部類になりますが、それでもさらに人数の多いフラットを探せばこれより安くなる可能性もあります。

これが今私が借りてる部屋です。かなりでかいです。これで£350(5万円位)、これと別にキッチン、ダイニングもあるので東京と比べたらめちゃめちゃコスパいいです。エディンバラも仮にもスコットランドの首都で、うちのロケーションも中央駅から歩ける距離です。ちょっと治安がいまいちのエリアなので安いというのもありますが…でも£450も出せばこれくらいの部屋が借りられます。

 

これが一人暮らしになると、結局フラット丸ごとと似たような値段を払うことになり、しかも税金、光熱費なども一人で払うことになるのでさらに割高になります。

お給料がある程度ある人は一人暮らしも検討しますが、それならお金を貯めて自分のフラットを買ってしまったほうが自由もききますし、一人暮らしでわざわざ借りるよりは買う方が良いのではと考える人も多いです。

イギリスでは家の価値って日本のように年数によって落ちにくくて、逆に上がる場合が多いです。なので社会人を数年やってお金が貯まったらだいたい皆買っちゃうんですよね。でもそれまでは安い家に住んでお金を貯めたい。なのでシェアする。だってすごい安いから。

そういうわけで、若い人や学生はほとんどフラットシェアをしています。日用品なども一緒に買うことができるのでかなりお金が節約できます。私は家賃、光熱費、住民税、日用雑貨など合わせて合計£500程度で済んでいます。

日本でも当然フラットシェアをすれば同じように様々な場面で節約ができます。キッチンやお風呂などの常に使っているわけではないスペースが共用になっているので当然ですね。

 

家に人がいて寂しくない

これは私が注目しているフラットシェアの利点です。

今は家族を持たず一人暮らしを続ける若者も多いですが、イギリスではフラットシェアをすることが多いので、ひとりぼっちで寂しいことがありません。これは逆に一人になれないというデメリットにもなりますが、しかしフラットメイトという立場で人と住むのは友達、恋人、家族のどれとも違う人間関係で、また特別なものだと思います。

The World’s 10 Most Single Countries

TheRichestによれば日本の独身世帯の割合は31%、イギリスはその更に上をいく34%ですが、日本で独身世帯が増えているのと同じようにイギリスでも増えていて、それでもイギリス人が幸せそうで結婚へのプレッシャーや将来への不安を感じさせないのは、このように独り身でも寂しくなく暮らせる方法が簡単に見つかるからではないでしょうか。

フラットメイトとというと様々な関係がありますが、プラバシーを大事にして家では掃除のルールなど決める場合もありますが基本的には別行動というタイプと、家では一緒にいて、旅行をしたり、親友同士というような関係の場合など色々で、寂しさを埋めるタイプと、ある意味家族だけど世間一般で言う距離感では近すぎると思う人で、色々な形があっていいと思います。

メリット1で紹介した、お金の面で言えば、だいたい一部屋£300-400くらいで借りればシェアするメリットを感じられますが、それ以上、例えば£500の部屋を借りてもいいという人の場合、お金以上にシェアを楽しんでいるという可能性があります。だってそれだけ出せるなら家を買う余裕もあるはずだから。

フラットメイト探しをする場合に、だいたいシェアしたらこんな風にしたいっていうのを書きますが、プライバシーを大事にするタイプですと書いている人は家では最低限のコミュニケーションを取りたい人、時々は一緒に遊びに行きたいとか書いてる人はまぁそれなりに仲良くしたい人、タダのシェアは求めてません本当の友達や家族を探しています!と書いてる人はすごーく仲良くしたい人です。その辺も自分の需要と見極めてシェアしたいですね。

そういうシェアメイト同士ですごく仲良くしたい人の場合、家の間取りやロケーションなどの条件も大切ですが、やはりフラットメイト同士の相性が大切になるので、フラット見学の時にちょっと色々詳しく聞いたり、お茶したりして一緒に暮らしたこんな感じかな~っていうのを想像できるといいですね。

私は今社会人になって、頑張れば一人暮らしできるかな~って位なんですけど、仕事がほとんど人と話さない仕事なので、そこまで考えると家でも一人だと病みそうだなって思ったり……。それでやはり私はシェアがしたいなって思いました。

 

デメリット

もちろんシェアするとデメリットも沢山あります。

掃除で喧嘩

これはフラットでのトラブルNo1です。

人間それぞれ掃除の仕方、頻度に対する考えが違うのでモメます。共用スペースはやはり綺麗にしておかなければいけませんが、その綺麗の基準がそれぞれなのでモメます。

相手が掃除しなくてイライラしたり、掃除しろって言われてイライラしたり……。私はきれい好きな方だとは思うのですが、一度ガチの潔癖症の人と住んでしまったことがあって失敗しました。消毒できる限りのものをして、週末は毎週大掃除、料理する度にガス台を解体して掃除など…。

イギリスでフラットメイト探しをする時の常套句といえばClean and Tidyですが、それも書き方をよく読むようにしています。とにかくフラットを綺麗に保ちたいってことを全面に押し出してる人はちょっと気になります。

正直潔癖症と住むなら私は相手があんまり掃除しなくても自分がすればいいやって思うようになりました;;

 

プライバシーが少ない

イギリスの場合フラットシェアでもそれなりの個室がもらえるし、いいんですけど、それでもやっぱり何をしてるかって相手に分かるし、一人暮らしに比べればプライバシーは少なくなります。でもこれはまぁちゃんとしたベッドルームがあればオッケーですね。

私は家を借りる時に間取りを気にします。個人の個室が接してる家は微妙です。理想は家の反対側にあるタイプ。やはり物理的に離れていると心も落ち着きます。

 

来客とかでモメる

ゲストを家にどこまで呼んでいいかって話です。恋人を自分の部屋に連れてくるくらいならダメっていう人はいないと思うんですけど、それでも毎日のように来ると光熱費出せとか言い出す人がいたり、あと友達がよく家に泊まってソファで寝たりするとどうするとか…。

あと私はCouchSurfingが大好きなので、これはシェアだと自由にできないのが問題です。なので理想はCouchSurferと暮らすことですね。

 

買い物でモメる

これは金銭感覚の問題や色々な主義など。

イギリスだと結構環境問題に敏感な人が多いので、これは環境にいいとか悪いとかで多く払う人とかもいるし、学生だからどんなに悪くてもとにかく安い物が買いたいって人もいるし、共用のものを買う時はいちいちモメたりします。

例えばトイレットペーパーとか。特に男女でシェアしてる場合、一緒に買うと男性が不平等に感じたり…。なので個別に買うってフラットもありますね。私はそんなんだるくて無理だけど。

やはり個人個人でお金をかけたいものは違うので難しいです。

 

引っ越しの時もタイミングとかでモメる

これは大家さんとも被るところですが、シェアしていたらいつかはどちらかが出ていくことになるでしょう。そのタイミングがうまく行ったり行かなかったり。

フラットを探すタイミングで難しい時とそうでない時がありますし。

 

騒音とかでモメる

掃除と同じくらいよくモメるのが騒音です!

音楽をかけるとか、友達と話してる音とか、人によってはかなり敏感なのでこれもメモますね。でも音はシェアしている以上ある程度仕方のないことなので我慢も必要だとは思うのですが…。

モダンなフラットとかだとちゃんとしたドアがあってそういうのも気にならなかったりしますけど。スウェーデンの学生寮ではドアに二重になっているのを見ました! 不思議です~。

 

このように考えられるトラブルは沢山あります。でもそこをうまくやりながら、仲良く暮らせればフラットシェアってホントに楽しいです!

確かに今まで三年間色んな人と暮らしてきて、もう一人で住みたいってこともありました、くだらないことで喧嘩したこともありました、でもまたいざ引っ越すとなると誰かとシェアしたいと思っているので、私も総合的には楽しんでいるみたいです。

 

結婚とかどうでもよくなる

これは100%デメリットではありませんが、上でシェアするメリットとして寂しくないというのがあると書きましたが、それに伴い、家族を持ちたいという欲も衰える可能性があります。

ホントに仲の良いフラットメイトの場合、一緒にご飯を作ったり、休日に一緒に遊びに行ったり、家に帰ったら今日あったことを話して……、みたいな関係になることもあります。そうなると全く寂しくなくて、なんか家族みたいな感じで、なんか結婚して自分の家族持ってとかしなくてもいいんじゃない?とすら思ってきます。

正直フラットシェアしちゃうと、うまくいってるとホント居心地よくて大変です。

ヨーロッパってこういうシェアが一般的な国が沢山あるので、これを経験すると、ヨーロッパの結婚率下がってるっていうのも分かるなって思います。

シェア(一番仲良いレベルで)と結婚の考えられる違いって、ロマンチックな関係があるかどうかだけで、要するに同じ部屋で寝て、体の関係があるくらいしか違いがないので、それって別に結婚しなくてもできるし、いいフラットシェアしてれば、週に1,2回会う恋人がいて、たまにラブラブしてそれで良くない?ってなる人がいるのも頷けます。

だからこそ結婚って相当好きで、毎日をシェアしたいと思わないとしないんじゃないかな、と。後は子供がモチベーションですか。

とにかく、イギリスでの生活において、結婚に一人だとさみしいからという理由は生まれづらいということです。寂しいだけならフラットシェアでいいじゃん、っていう。

困ったことがあればお互い助け合えるし。

 

こんな感じで、日本ではまだ珍しいフラットシェアの文化、こうして見てみると、独身者の多い日本の社会にもこれから広まっていくのが予測できるような気がします。

イギリスで暮らすなら是非一度はフラットシェアに挑戦するのがオススメです!