スコットランドの気候について、気温や服装、雨についてテーマを分けて書いてきましたが、

今回のテーマは日の長さの変化です。

日の短い冬の厳しさ

イギリス・スコットランドの気候①年間の気温、服装と詳細

の記事では、スコットランドは海流の関係で緯度の割に気候が穏やかで冬もあまり寒くない、と書きましたが、そのような中でもどうしても解決できない自然の厳しさ、

それは冬の日の短さです。

ヨーロッパの特に北部で暮らす日本人が口々に言うのは、冬は日がなくて気が滅入るということで、私も何度もそのような話を耳にしていましたが、日の短さくらい何がそんなに問題なのか、と思いました。
その厳しさは本当に引っ越してくるまで分かりませんでした。

一年で一番日の短くなるのは12月ですが、timeanddate.comによると、12月にはスコットランドの首都エディンバラでの日の出は9時前、日の入りは4時前になります。
これは、つまり、大抵の働いている人や学校で勉強している人は、一日のうちに一度も太陽を浴びることができなくなるということです。

ああ、気がつけばまた一日が終わってしまった、という感じです。

さらに最悪なのがスコットランドは元々曇りの日がとても多いため、その短い日の出ている昼間の時間でさえ、太陽を浴びられるチャンスはとても低いということです。

ちなみにWikipediaによれば、スコットランドの首都エディンバラは、ヨーロッパの中でも指折りの年間日照時間の短い街。
12月の合計平均日照時間はなんと46時間です。東京が178時間なので、約1/4です。

これはいくらデータで説明してもその辛さがあまりピンと来ないことだと思うのですが、太陽を感じない生活を続けていると本当に気が滅入ってきます。

一日が短く感じて、人が外に出る機会も減るので孤独にも感じ、出かける気力もあまりなくなるので本当に暗ーい気持ちになります。

12月中はもはやほとんど太陽を見ることもないので、可能であれば12月に長期休暇を取って天気の良い国にでも遊びに行くのが健康のためなのではと思います。

スコットランドに引っ越して来るまで、こんなに太陽について考えたことはありませんでしたが、スコットランドの生活では太陽が出ているのか出ていないのかは本当に人々の気持ちを左右します

太陽が出ている日には皆が挨拶しあい、友達に今日は晴れているねと連絡しあい、街全体の幸福度が上がっているのを感じます。
この太陽のなさが耐えられずエディンバラを出て行く人も少なくありません。

私も今やこの冬の暗い時期について考えるだけで嫌な気持ちになります。
これは本当に長期でヨーロッパ北部で暮らした人だけが理解できる辛さだと思います。
これについては気温の厳しさなどと違いできることはとても限られています。

太陽が出ている時になるべく外に出る、家の中でできる楽しみを見つける、友達とコミュニケーションを取る努力をするくらいでしょうか。
あとは本当に物理的に暗い場所を離れてしまうのはアリでしょう。

 

日の長い夏の喜び

続いては逆に夏の日の長さについてです。
これも日本にいては味わえないものですが、スコットランドの夏はとにかく明るいです。

上記の通り、元々天気が悪く曇りが多いので、毎日がたっぷり太陽が浴びられるというわけではありませんが、それでも晴れた日には太陽の素晴らしさを味わうことができます。

一番明るい6月の後半では、白夜とまではいきませんが、真夜中でも完全に真っ暗にならず、北の空がほのかに明るいのを見ることができます。
夜は10時ころまではずっと明るいので、公園でその時間までのんびりすることもできます。

仕事が終わった後でも外で遊ぶことができて、キャンプやハイキングへ行っても活動できる時間がたっぷりあります。
そのため誰もが普段よりアクティブになり、街には人が増え、明らかに活気が感じられます。
一日が長く感じて、エネルギーが湧いてきます。

逆に一日が長すぎて、時間を忘れてしまい、家に帰るのが遅くなって睡眠時間が足りなくなったりして疲れてしまうなんてこともあるくらいですが、夏に感じる街全体の幸福感は何とも言い表せません。

スコットランドの場合気温の変化が一年を通してとても少ないので、暑くなってきたから夏が来たな、という感じではなく、むしろ日が伸びてきた、仕事が終わってもまだ明るいぞ夏だなって感じです。

スコットランドへ来るまでは本当にこんな太陽について感じ、考えたことはありませんでしたが、スコットランドでの生活においては晴れているのか、日がいつ沈むのか、は毎日の生活の中でとても大きく感じられることです。

そんな経験も海外生活ならではのことだと思うので、スコットランドのように日の長さが一年の中で極端に変わる国で暮らすのも新しい価値観を育むという意味では面白いかも知れません。

 

イギリス・スコットランドの気候①年間の気温、服装と詳細

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