※この記事は星から来たあなた、愛の不時着のネタバレが含まれます!
コロナ禍で暇な時間が増え今まで見向きもしなかった韓国ドラマに「愛の不時着」をきっかけに大ハマリ。
そして愛の不時着ロスの心の空白を埋めるのに、リ・ジョンヒョク役のヒョンビンが出ている作品を見ている人も多いらしい。
しかし私はヒョンビンが好きというよりリ・ジョンヒョクというキャラクターが好きなので、それならば同じ俳優より、同じ脚本家の作品を見たほうが良いだろう、ということで、愛の不時着の脚本家であるパク・ジウンの作品を見てみることにしました。
そして見ようと決めたのが「星から来たあなた」。
見てよかった。
最初の数話でもうハマり、そこから最後まで数日で一気に見ました。
やっぱりドラマで大事なのは脚本だなと確信しました。
星から来たあなたは2013年の作品なので映像やファッションなどちょっと古いなと思うところはあります。
でもやっぱり物語がよくできていた!
ということで今回は星から来たあなた、愛の不時着の脚本がなぜ面白いのか比較しながら分析してみたいと思います。
物語の目的意識
思うにこの脚本家のパク・ジウンさんが優れているところは、明確な本筋と盛り上げどころを見せているところだと思います。
愛の不時着では9話まではユン・セリが韓国に帰る、その後はチョ・チョルガンを捕まえユン・セリを守る、という物語の目的がはっきりとしていた。
そして星から来たあなたではハン・ユラを殺した真犯人を捕まえチョン・ソンイの無実を証明する。
行き当たりばったりに色々起こるのではなく、この物語の進行が明確であることが全体の繋がりをしっかりさせていると思います。
その繋がりによって大きな一つの物語であるという壮大さを感じるし、続きが気になるというドラマを見続けるモチベーションにもなります。
途中の見せ場
そしてこの2つの作品には両方共、見せ場がしっかりとあってまさに名シーンとして心に残るような盛り上げどころがあります。名作ドラマや映画ってやっぱりここぞという有名なシーンがあります。
やっぱりこれがこれだけ心に残ったと感じる理由だと思います。
例えば愛の不時着では9話の韓国に戻るシーンとか、16話の国境シーンなど涙が止まらなくなるような大盛り上がりのシーンがありました。
そして私が特に心を奪われたのは、6話の最後、リ・ジョンヒョクがバイクに乗って登場しユン・セリを救うところです。全然予想してなかったので突然の登場と、オールバックでバイクという今までとのギャップ、そしてそこまではできる限り手助け程度だったのが一気に命をかけてユン・セリを守るという愛が急上昇するシーンでした。
私が星から来たあなたでそれに対応するシーンだと思うのが、7話の終わりのト・ミンジュンが暴走した車を止めるシーンです。
愛の不時着、星から来たあなた、どちらも私はこの瞬間に落ちた…!と思いました。私の心が。
そこまでぶっきらぼうだったのに突然命をかけて守ってくれる騎士的な行動のギャップがもう一気に恋に落ちてしまうポイントでした。
それにこの車を止めるシーンは映像的にも派手で私的にはドラマの中でも一番の名シーンでした。
クライマックスの盛り上がり
クライマックスで星に帰っていってしまう、最終回が近づくにつれ、この二人が一緒になるの不可能じゃん!と見てるこっちも焦りフラストレーションが溜まる、そこも愛の不時着との共通点を感じました。
エンディングも100%ハッピーエンドではないけど、でもこんな形でも一緒にいられて幸せだねって感じの、80%ハッピーエンドくらいの感じがまた切なくて印象に残りました。むしろ現実的な終わり方でそれくらいの方が冷めないって感じがします。
ト・ミンジュン突然またいなくなっちゃうの?とか、結局一緒に歳は取れないのか…とかそういう不満は色々残りますが、でもまぁそんなもんかなって感じです。
そして最終回では流星群がやってきて人々は大盛り上がり、でも二人は離れ離れになってしまう……その壮大さと切なさの対比が良かった。流星群っていう点ではちょっと「君の名は」に似てたところもあります。天体ショーみたいな派手なラストシーンは盛り上がりますね。
悪役のかっこよさ
愛の不時着のチョ・チョルガンも悪役なのに結構イケメンでなんとも言えない魅力がありましたが、星から来たあなたのイ・ジェギョンは背も高くてちょっとかっこよすぎませんか?笑
弟のイ・フィギョンと、ト・ミンジュンとイケメン高身長が3人並んだ時のインパクトが凄すぎます。
悪役が魅力的な物語って見てて飽きないし主人公側と対決する時もものすごく盛り上がります。例えばワンピースのクロコダイルとかもめちゃめちゃカッコいい。
イ・ジェギョンもこう自信と魅力に溢れてて、大物感があるから、ハラハラ感が続いて、物語がチープにならないんだと思います。
愛の不時着でもチョ・チョルガンが姑息で賢くて、こいつは簡単には死なないなと分かるから最後まで盛り上がりが続くのでは。
悪役をどれだけかっこよよく、大物感を出していけるかというのは物語を面白くするポイントなのではと両作品を見て思いました。
恋愛に根拠がある
私はフェミニストなのでどうしても何もできない女性がなぜか御曹司に一目惚れされるみたいな物語は苦手です。
しかしパク・ジウンさんの脚本で感じるのは、男主人公と女主人公がお互いに恋に落ちる根拠がしっかり書かれているということです。
愛の不時着ではまずユン・セリがリ・ジョンヒョクの顔がタイプだと最初の根拠を述べています。その後リ・ジョンヒョクがなんだかんだユン・セリの欲しいものを買ってきたり、泣いてる顔を見ないために蝋燭を消したり、飲みたいと言っていたコーヒーを手間をかけて豆から淹れてあげたり、明らかにユン・セリを北朝鮮に侵入させてしまったミスを隠すため以上の優しさを見せ、そして6話では命をかけてまで守ってくれる。これはユン・セリが恋に落ちて当然、むしろ視聴者皆が恋に落ちて当然です。
リ・ジョンヒョクも、明るく自信家のユン・セリが突然不安になって泣き出すなどのギャップ、子供の食料をあげようとする優しさや、危機的状況でもユーモアも持って村人達と接するところなどユン・セリの魅力を描いているので恋に落ちるのも納得です。リ・ジョンヒョクも人の面倒を見るのがそもそも好きそうなのでユン・セリのようなちょっとワガママな女性が合ってる感じがします。
星から来たあなたでも、ト・ミンジュンの初恋の人に似ている(生まれ変わり?)チョン・ソンイに最初興味を惹かれるという大きな根拠を置いていて、その後チョン・ソンイが記者から逃れるためト・ミンジュンの家でしばらく過ごしたり、耳が良すぎてチョン・ソンイのことを隣の家からでも知っていまい、400年間人と関わってこなかったト・ミンジュンが恋に落ちてしまうのもちょっと分かる。
そしてチョン・ソンイ側からするとピンチの時にいつも助けてくれている、文句言いながらも家で面倒見てくれたり、クールなト・ミンジュンがチョン・ソンイのことになると慌てるところ、これは恋に落ちます。国中から嫌疑をかけられ、人生どん底のところで自分を信じて何度も助けてくれたわけですからね。
このようにパク・ジウンさんの脚本では恋の根拠がきちんと書かれていて、感情移入がしやすいです。
結構役者の表情からもあ、今ドキドキしたんだなってところや、今恋に落ちましたねって瞬間が感じられたりします。
以上私が星から来たあなた、愛の不時着が面白いと思う理由を述べてみました。人気作品の分析は色んな人が書いているので解釈も色々だと思いますがどうでしょうか。
また面白い韓国ドラマを見たら感想や分析を書いてみたいと思います。
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